医師向けの英語資格がなぜ人気?

英語の資格,藤永丈司
(画像=THE21オンライン)

昇進にTOEICの点数が要求される会社は多い。しかし、英語力を高めるなら英検のほうが適しているという話も聞く。他にも様々な英語の資格があるが、実際、何を目指すのが良いのだろうか。資格事情にも詳しい英語講師の藤永丈司氏に聞いた。(取材・構成=林加愛)

海外に出なくても英語は必要になる!

会社に言われてしぶしぶ資格の勉強をしているものの、全然英語力が上がらない、と悩むビジネスマンの方は多数。これはおそらく、資格が「ゴール」になっているせいです。

英語力を上げる方法は「英語に触れ続けること」。短時間でも毎日欠かさず、ずっと継続することが大事なのです。ところが多くの人は、資格試験で一定の結果が出れば勉強をストップします。結果、少し上達しては忘れる、の繰り返しとなるのです。

そこでお勧めしたいのは、資格に加えてもう一つ目標を持つことです。資格への挑戦は、毎日英語に触れる「きっかけ」になります。その基盤ができたら、もう一つの目標として「海外旅行を楽しみたい」などをモチベーションにしましょう。

一方、「そもそも英語を使わないから勉強もしていない」という方もいるでしょう。しかし今後、日本にいながらにして「話せないと困る」時代が来ます。日本で暮らす外国人が激増するからです。実際、私の英語教室では最近、医師の受講者が急増中。外国人の患者とやりとりする際、英語ができないと困るからだそう。そうした医療関係者用の「日本医学英語検定」という資格もあるくらいです。

医療に限らず、自分の専門分野を英語で話せる力があれば、周囲に差をつけられます。今はその絶好のチャンスなのです。

運用能力を伸ばすなら「英検2級」がベスト

では実際に、どのような資格にチャレンジすればよいでしょうか。TOEICが仕事で必須なのではないかと思うという人は多いかもしれません。しかし実は、TOEICの問題は英語力がなくともテクニックで解けてしまう一面があります。ですからハイスコアなのに話せない人も少なからずいます。

使える英語を身につけるなら、英検2級がおすすめ。日常会話中心の問題で、面接試験もあるため英会話力の鍛錬になります。

英検2級を「標準装備」にし、あとは専門性に合わせてプラスαを目指すのもよいでしょう。貿易関係なら貿易実務検定、外国人を案内する機会が多いならビジネス通訳検定など。下の表を参考に、自分の生活に即した資格に挑戦しましょう。