2019年4月12日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
米中貿易協議と並んで注目イベントとされていたブレグジットだが、延期で一旦決着。EUは英国の離脱期限を10月31日まで再び延期する妥協案で合意。メイ英首相もこの提案を受け入れた。追加として6月のEU首脳会議で進展状況を見直すという内容。この報道を受け、同時に起こったことはオプションのボラティリティの低下だ。新たな期限となった10月末をカバーする英ポンド/米ドルのボラティリティは昨年7月以来の低水準に急落。大きな変動を期待した参加者(方向性はどちらでも)が発表と同時にオプションのロングを投げたことから、ボラティリティの急低下が始まっている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
ゴールドマン・サックスを筆頭に今年の大きな収益源となる可能性があるといわれたポンドだが、このステージではボラティリティの低下という結末に。直近の注目は米金融機関の第1四半期の決算発表が始まること。まず本日12日(金)はJPモルガンとウェルズ・ファーゴ。加えて、来週から始まる日米TAG交渉に注目。リスクオフの材料がひとつ消えて、米ドル/円は買い戻しが優勢となり、現在111.60円で推移。ただ米ドル/円は110~112円のレンジの中での小動きが続いている。現在マーケットで注目されているのが豪ドル/NZドル。先物市場では織り込んでいないが、友人によれば、5月8日のRBNZでは政策金利のオフィシャルキャッシュレート(以下OCR)を0.25%引き下げられる可能性が高いとのこと。シティバンクによれば、さらなる利下げの可能性もあるようだ。一方RBAはOCRを据え置く可能性が高いため、RBAとRBNZのOCRは逆転する可能性が高くなっている。このRBNZの方針は豪ドル/NZドルの下落を阻止することが目標のようだ。結果、豪ドル/NZドルはじり高の展開。戦略としては豪ドル/NZドルの押し目買いで臨みたい。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。