消費税率の引き上げに伴う景気対策の一環として、20%お得に買い物ができる「プレミアム付き商品券」が販売されますが、このプレミアム付き商品券は購入できるケースとできないケースがあり、使用期限もあります。増税前に制度の概要を知っておきましょう。

プレミアム付き商品券の概要

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(画像=Kotin/Shutterstock.com)

プレミアム付き商品券は市町村が発行し、住民に販売するものです。割引率は20%と設定され、2万5,000円分の商品券なら2万円で購入することができます。発行に関する事業に必要な経費は国が全額補助するスキームとなっており、関連予算として2018年度は96億円、2019年度は1,723億円が計上されています。

プレミアム付き商品券を発行する目的は主に2つあります。1つは消費増税が低所得者や子育て世帯に与える影響を緩和することで、もう1つは各自治体における消費を下支えすることです。

消費税率が上がると、商品やサービスを購入したときに支払う総額が高くなります。そのため政府は、消費意欲が落ち込んだり、家計に大きな影響を与えたりすることを防ぐために、増税対策をいくつか打ち出しています。その一つがプレミアム付き商品券の事業というわけです。

政府が打ち出している増税対策としては、ほかにはキャッシュレス決済によるポイント還元事業や軽減税率などがあります。

プレミアム付き商品券の購入対象者は?

プレミアム付き商品券の購入対象者は、2つの条件のいずれかに該当する人で、2つの条件とはそれぞれ「2019年度住民税非課税者」と「学齢3歳未満の子が属する世帯の世帯主」となっています。

2019年度の住民税非課税者であっても、課税者と一緒に生活している配偶者や扶養親族、生活保護を受けている人は除かれます、また「学齢3歳未満の子」とは具体的には2016年4月2日から2019年9月30日までの間に生まれた子供のことを指します。当初は2019年6月2日以降に生まれた子供は対象外でしたが、不公平感が無くなるよう適用させることになりました。

プレミアム付き商品券の購入限度額は2万5000円(販売額2万円)ですが、この2つの条件の両方を満たす場合は倍の5万円(販売額4万円)となり、該当する子供が複数いる場合はその子供の数だけ購入限度額が上がります。

低所得者に配慮し、プレミアム付き商品券は5000円(販売額4000円)から購入できるようになっています。

プレミアム付き商品券の購入方法や使用期限は?

現在の計画では、対象となる子育て世帯と低所得者では、プレミアム付き商品券購入までの流れが異なっています。

子育て世帯の場合は各自治体が2019年9月ごろから引換券を郵送で送付し、その引換券を持って自治体の窓口に行くと、プレミアム付き商品券を購入できるという仕組みになっています。ただ早めに郵送の準備をしなければいけない関係上、拡大された出生時期(2019年6月2日〜9月30日)に生まれた子供の分については、引換券の追加送付という形で対応される見込みとなっています。

一方で低所得者の場合は、自宅に届いた交付申請書に必要事項を記入して自治体に返送する必要があるほか、その後の審査を通過して初めて引換券が送られてくるという流れなどとなる見込みです。

使用可能期間は、消費税率が10%に引き上げられる2019年10月から2020年3月までの間で、各市町村が定めることになっています。国は10月1日から使用可能とするように各自治体に要請しており、今後各自治体が期間を決めた上で、公式サイトや広報誌などで発表する形となるでしょう。

プレミアム付き商品券を使える店舗は公募によって今後決まっていきます。

有効活用し家計の負担を減らそう

プレミアム付き商品券を購入できる人は全国で2,450万人に上ると言われています。原資は税金であり、費用対効果的な観点から賛否はあるものの、実施される以上、有効に活用することで家計の負担を減らすことにつなげたいものです。(提供:JPRIME

文・J PRIME編集部


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