金融商品を買う時に、どの指標に連動させるか、また、どれくらいリスクをとるべきか、どれくらいリターンが期待できるかなど、私たちは様々なことを考えながら投資商品を選ぶでしょう。その中でも、特に意識すべきは、手数料かもしれません。実際、同じような商品であれば、手数料が低ければ低いほど、投資における期待リターンは高くなります。投資初心者向けに、手数料の考え方と、おすすめの投資を紹介します。
手数料は、唯一確定しているマイナスリターン
金融商品を選ぶ時、私たちは、つい、「どういったものに投資するか」「リスク・リターンはどれくらいか」ということに注目しがちです。しかし、もっと注目してよいのが、「手数料」でしょう。
なぜなら、手数料というのは、預けている金額から確実に支払う必要があるものです。たとえば、年1.1%の手数料の商品と、年0.1%の手数料の商品であれば、年0.1%の手数料の方が、1%パフォーマンスが良くなるのです。私たちはリターンを予測することはできませんが、手数料は確実に抑えることができます。そのため、手数料は、極力低い商品を選ぶべきなのです。
投資信託、ETFの手数料はどれくらい?
では、実際、どれくらいの手数料が、平均なのでしょうか。
投資信託協会が出している資料によると、株式投資型の投資信託・ETFの手数料の平均は、1.08%になります。とはいえ、最も安い商品だと、手数料はわずか0.06%、最も高い商品だと、手数料は2.38%になります。
とりわけ、インデックス型という、ある指標に連動するタイプの投資信託は、平均して0.45%の手数料になっています。一方、アクティブ型という、ある指標を上回ることを目指すタイプは、平均して1.18%となっています。同じ投資信託でも、手数料には40倍近い差があるケースもあるのです。
では、手数料が高い商品は、リターンが優れた商品になるのでしょうか。残念ながら、決してそうではありません。過去の研究からも、アクティブ運用の大部分は、インデックス運用にパフォーマンスで負けているのです。投資というのは先が読めないものです。そういった意味では、まずは過去、リターンの高い、インデックス運用を行うべきだと言えるでしょう。
コストが見えない商品にも注意
もう1つ、手数料に関して注意したいことがあります。それは、「手数料が見えない」商品になります。たとえば、金融商品で言うと、仕組債などが代表的な商品になります。
仕組債は一見高い利回りがあるように見えます。しかし、様々な条件がついており、期待通りのリターンを得ることができるケースは少なくなっています。また、手数料は明記されていないものが多いですが、仕組みが複雑な分、隠れたコストは高くなっている可能性があります。こういった、「隠れたコスト」にも十分注意したいところです。
現実的には、0.5%以下の手数料の商品がおすすめ
では、投資初心者が商品を選ぶ場合、どれくらいの手数料のものを選べばよいのでしょうか。1つの目安になるのが、0.5%という手数料です。インデックス運用の商品の平均が0.45%であることを考えると、0.5%以上の商品は割高と言えるでしょう。また、初心者の場合、「ノーロード型」と呼ばれる、売買手数料がかからない商品を選ぶのもおすすめです。
また、「ただより高いものはない」という言葉の通り、コストが見える商品を選んだ方が、結果として投資に納得感がでるのではないでしょうか。
低コストの商品を選んで、効率よく投資を行おう
手数料は、投資家が唯一自分でコントロールできるリターンと言っても過言ではありません。1%コストが安いというだけで、期待リターンが1%高くなるのです。未来は予測できませんが、コストは確実に計算することができます。初心者であればあるほど、コストに注意しながら、効率的に投資を行ってみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME)
文・J PRIME編集部
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