なぜ、「つまらない企画」ばかり生まれてしまうのか?

アイデア会議,加藤昌治
(画像=THE21オンライン)

昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言われるように、一人で考えるよりも、チームで考えたほうが、より良いアイデアが生まれるものだ。ところが実際には、チームで考えるために会議を開いたのに、議論が沈滞してしまうことがよくある。アイデアが次々と生まれる会議は、どうすればできるのか。大手広告会社で活躍する加藤昌治氏に教えてもらった。

面白くない企画書には「アイデア」が入っていない

「次の会議までに企画を一人一つずつ考えてきてくれ」と上司が部下たちに指示する。そして、数日後の会議で、上司がため息混じりにこうつぶやく。

「面白くないなあ……」

職場でよく見られる光景かもしれませんね。

面白くない企画ばかり集まってしまう理由はとてもシンプルです。企画に「アイデア」を入れる作業をしていないからです。

企画には2種類あります。一つは、「アイデアなし」の企画。そしてもう一つが、「アイデア入り」の企画です。どちらも企画であることに違いはないのですが、中身はまったくの別物です。

アイデアなしの企画は、「面白くないなあ……」となってしまう可能性が高い企画。もう一方のアイデア入りの企画は、すべての人に受け入れられるわけではないかもしれませんが、「こういうことをやりたいんだな」「面白い切り口だな」というように「意志を感じられる企画」になる可能性が高い企画です。

冒頭のような上司のセリフから始まる会議を、私は「いきなり会議」と呼んでいます。「いきなり会議」では、指示を受けた部下たちは、アイデアを考えることよりも、「企画書を整える」ことを優先してしまいがち。その結果、面白いアイデアが頭に浮かんだとしても、「予算をオーバーしてしまう」「納期が間に合わない」などと色々と考えた挙句、フォーマットに収まったきれいな企画書を作ってしまうのです。これが、面白い企画が出てこない一番の原因です。