日常の動きを変えよう

体中の筋肉をまんべんなく使い、正しく歩くためには、まずは正しく立つことが大切です。

正しい立ち方は、壁を使うとわかりやすいでしょう。壁を背にして立ち、「かかと・お尻・肩甲骨・後頭部」の4点を壁に当てて立つこと。ここでのポイントは、骨盤の角度が床に対して垂直であることをイメージすることです(手のひらを壁と背中の間に差し込んでみて、だいたい手のひら1枚分の隙間なら、骨盤の角度は正しいと思ってください)。

この立ち方を、力ずくでするのではなく、自然にできるようになれば、関節や筋肉に変な負荷がかかりません。これが理想的な立ち方です。そして、今まで使っていなかった筋肉を使っていることを感じることでしょう。

このじっとしている時こそが、インナーマッスルという、体の奥のほうにある筋肉をメインに使っている状態です。正しく立つことでインナーマッスルトレーンングができるわけですから、しないのはもったいないですね。

そして、課題である体の後面(背中側)の筋肉もしっかりと使っているので、これだけでも結構な筋トレになります。

正しい歩き方のポイントとは?

正しい姿勢がわかったら、次は正しい歩き方です。

体の筋肉をまんべんなく使いながら正しく歩くポイントは、

(1)つま先を持ち上げて、かかとから着地するように足を運ぶ
(第二の心臓と言われるふくらはぎが動きます)
(2)足幅は、立った時の靴1足分の幅からはみ出ないように足を出す
(膝がまっすぐに前を向き、関節に負担がなく、内ももの筋肉も使います)
(3)骨盤の真上に頭がくるように意識して歩く
(重たい頭が本来の位置にくると、肩や腰への負担が軽減します)

まずはこの3点に気をつけて歩いてみてください。そして、慣れてきたら、肩甲骨や二の腕も使うようにしたいので、腕を後ろに振るようにして歩きます。

誰でも、長年やってきた歩き方があると思います。一気に直そうとするのではなく、段階を踏んでじっくりと変えていくと、知らず知らずのうちに肩こりや腰痛とお別れすることになるはずです。

山﨑美歩呼(やまさき・みほこ)
〔一社〕日本姿勢改善ウォーキング協会代表理事
1965年、山口県生まれ。比治山女子短期大学卒業後、結婚・出産を経て、2011年からウォーキングの研究開始。15年、〔一社〕日本姿勢改善ウォーキング協会立ち上げ。http://walking-fukuoka.com (『THE21オンライン』2019年3月号より)

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