結婚するとお金の使い道が大きく変わってきます。独身時代は自由に使えていたお金も、結婚後は夫婦のために使うことが増えてくるでしょう。2人の貯金計画を立てる夫婦も多いと思います。

でもいざ貯金計画を立てるにしても独身時代とは違うお金の使い方になるため、具体的にどうすればよいかよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。

この記事では夫婦の支出や貯金など、結婚後の夫婦のお金について解説します。お金の問題は幸せな結婚生活のためにも重要ですから、ぜひ参考にしてください。

夫婦の貯金って必要?結婚後にかかる費用には何がある?

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(画像=PIXTA)

結婚すると独身時代にはなかった夫婦のライフイベントがあり、それに伴う支出が増えていきます。結婚生活は夫婦が一緒に行っていくもので、それぞれ別に貯金計画を立てていると大切なライフイベントに支障が出てしまうかもしれません。

例えば、夫婦になったばかりのころの大きな支出となるのが、結婚式や新婚旅行などの結婚費用です。結婚費用は結婚前から話し合っていた方がよいでしょう。場合によってはお互いのご両親とも相談しておくことも必要です。

子供を望むのであれば養育・教育費の貯金計画も大切です。マイホームを建てるなら住宅費用も必要ですし、2人で余裕ある老後を過ごすための資金も用意しなければいけません。

今後どんなスケジュールで夫婦のライフイベントに取り組んでいくか、2人の考えを話し合うことが大切です。それに沿った貯金計画を2人で立てましょう。

他の夫婦の貯金額ってどれくらい?

夫婦の支出のために貯金すると考えると、他の夫婦はどれくらい貯蓄しているのか気になりますよね?金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から確認してみましょう。

以下は、年代別の貯蓄額のデータです。

  平均値 中央値
20代 370万円 250万円
30代 810万円 500万円
40代 1,238万円 800万円
50代 1,828万円 1,186万円
※金融資産なし世帯を除く

年齢が上がるにつれ貯蓄額は大きくなっていますね。中央値とは、すべてのデータを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にあたる値のことです。平均を見ると、多額の資産を持っている人に引っ張られてしまうので、中央値を参考にしたほうがよさそうです。

次に、収入からどの程度の割合を貯蓄に回しているのか、「貯蓄率」も見てみましょう。

  手取りからの貯蓄割合
平均
20代 15%
30代 12%
40代 10%
50代 9%
※金融資産なし世帯を除く

年齢が上がるにつれ貯蓄割合は低下していく傾向にあるようです。これは収入が上昇し、貯蓄計画が若い世代よりゆるくなっていったことが考えられます。

貯金が平均を下回っているけど大丈夫?

自分たちの貯金額が他の夫婦より下回っていると不安になりますよね。平均や中央値を下回っていると危険なのでしょうか?

結論から言うと、他の夫婦世帯の貯蓄を意識する必要はありません。夫婦にはいろんなカタチがありますし、住んでいる地域や家族構成に違いがあり一概に比較することは難しいからです。

夫婦の貯金額は、その夫婦のライフプランに見合った金額になっているかの方がはるかに大事です。他の夫婦の貯金額は確かに気になりますが、あくまで参考程度に捉えておきましょう。

2人でどんな人生にしたいか、よく話し合って貯蓄計画を立てることをおすすめします。

夫婦共通の口座はない。貯金するときはそれぞれの口座へ

夫婦の貯金を行うとき、普段の支出とは別にお互いが貯金できるような「夫婦共通の銀行口座」を用意しようとする人もいるでしょう。

しかし、銀行が用意する口座に共通名義のものはありません。実質的に2人で貯金していったとしても、あくまで名義人の資産として扱われてしまう可能性があります。お金の名義が夫婦のいずれかに偏ってしまうと思わぬトラブルとなってしまう危険性があるので注意が必要です。

たとえば夫名義の口座に夫婦で半分ずつ出し合った貯金1,000万円を預けている状態で、夫に万が一があった場合を考えてみましょう。この場合、妻から見れば相続の対象になるのは500万円と考えてしまいそうですが、あくまで夫名義の1,000万円が相続対象になります。

子がおらず遺言も用意していない夫婦の場合、夫の両親も相続人になります。本来1,000万円の内500万円は妻が出したお金ですが、この500万円を含め夫の両親と遺産分割をしないといけません。

万が一のこととはいえ、無駄にリスクを抱える必要はありません。貯金計画は2人一緒に話し合うべきですが、実際にお金を貯めていくのは夫婦それぞれの銀行口座で行いましょう。

夫婦生活はお金の計画性も大事

2人の結婚生活にお互いの気持ちはもちろん大切ですが、お金の問題も重要です。夫婦のお金は2人の価値観に大きく影響を受けます。それぞれ独自に行うのではなく、夫婦一緒にお金の計画も話し合ってみてください。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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