「仲居さん」が証券会社で働くのも面白い

業務内容が似通っている同業者が、人材を紹介し合うネットワークはさらに広がる余地があるのではないでしょうか。全国の旅館同士が仲居さんを紹介し合うというのも良いかもしれません。

さらに、異業種であっても工夫次第でネットワークは構築できると考えています。おもてなしのプロである仲居さんには、当社で働いていただきたいとも思います。

離職を防ぎ、安心して働ける社会にしようとしても、1社でできることは限られているので、地域や業界の垣根を超えた連携をしていくのが企業の社会的な使命だと考えています。

今後は異業種同士の転籍を含めて全国にネットワークを張り巡らせて、女性も男性もさまざまな生活シーンで制度を利用することで、転居を理由にした離職に歯止めをかけたいと思います。

角道裕司(かくどう・ゆうじ)
アイザワ証券専務取締役CIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)・静岡大学客員教授
奈良県出身。昭和57年大阪大学卒、同年富士銀行入行。人事部、証券部、資金証券営業部等を経て、グローバル企画部統合企画室でみずほ統合PJ担当。その経緯で勧角証券(現みずほ証券)へ出向、経営企画部長、米国駐在(ボストン)特担部長を経て、みずほ銀行証券部長、同証券・信託業務部長等を歴任、みずほの「銀・信・証」連携企画/推進を担う。平成22年6月、藍澤證券常務執行役員、同29年に専務取締役戦略企画本部長を経て現職。(『THE21オンライン』2019年04月04日 公開)

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