あらゆる営業は「数字」で語れる!

ファネル,斎藤広達
(画像=THE21オンライン)

「もっと得意先を回れ」「ひたすら電話をしろ」「足で稼げ!」……営業職を経験したことのある人なら、一度は聞いたであろうこんなセリフ。そんな「根性営業」に苦しんでいる人もいるはず。そんな職場を変えるために有効なのが「ファネル」の発想だ。

新著『数字で話せ』にて、数字を自在に操ることで仕事を変えていく手法を紹介している経営コンサルタントの斎藤広達氏に、営業を変える「ファネル」についてうかがった。

「とにかく足で稼げ!」という旧来型の営業部長たち

「もっと訪問件数を増やせ」……営業の現場でよく使われている言葉ではないでしょうか。

ただ、考えてみればこれほど曖昧な指示はありません。「もっと」とは「5件」なのか「10件」なのか。そうした具体的な数字がないと、本来、人は動くことができません。

今、1日5件回っているから、もう1件回ってみよう、というような考え方もできると思います。あるいは、売上を10%上げたいから、訪問件数も10%増やす、という考え方もあるでしょう。もっとも、頭の固いベテラン営業部長は「つべこべ言わずにひたすら足で稼げばいいんだ」などと言いそうです。

実は、こうした目標はもっと正確に「計算」できます。営業は「努力と熱意」の世界だと思われがちですが、「数字で語り、数字で動く仕事」なのです。

あらゆるビジネスで活用される「ファネル」とは?

ここで知っておいていただきたいのが「ファネル」と呼ばれる考え方です。ここ数年、オンラインビジネスを成長させる手法として注目を浴びています。

ファネルとは、ビジネスプロセスをステップに分解して、確率計算したもの。日本語に訳すと「漏斗(ろうと)」。先に行くほど絞られていく様と、ステップごとに数が減っていく姿が似ています。

この考え方は、営業活動や案件獲得などで昔から使われてきたものではあります。1件の成約を得るためには、何件のアポ取りが必要なのか? できる営業マンなら、ファネルという言葉は知らなくても、普段から意識しているはずです。

そんな基本的な考え方ではありますが、実は最新のネットマーケティングなどにも十分活用できる、非常に役立つ知識なのです。