ゴールドマンの会議で突っ込まれること
ゴールドマンでは、会議に参加すると、議題に挙がっていることに対する各自のポジションを、冒頭で問われました。そのことをやるべきなのか、やらないほうがいいのか。それはいいのか、悪いのか。正しいか正しくないかにかかわらず、自分のポジションを明確にすることが求められていました。
そのため、ポジションを明確にせずにだらだらと話し始めると、「それで、結論は何?」と必ず突っ込まれました。
反論が出るのは当たり前
ポジションを明確にすると、議論がおのずと活発になります。そうなると当然、賛成意見も出ますし、反論も出てきます。これは当たり前のことです。
そのため、反論があっても動揺することはありません。むしろ、さまざまな意見が出ることを期待し、あえてポジションを明確にしてさまざまな意見が出るよう、心がけているのです。反論が出ると会議の場が険悪になってしまうケースとは対照的です。
ハーバード・ビジネス・スクール(以下、HBS)でも、それは同じでした。HBSの授業形式は、学生が教授の講義を受け身で聞く座学ではなく、学生同士の発言から学びを得ることを念頭に置いた設計がなされています。そのため、相手の話をさえぎらずにしっかりと聞き切った上で議論することが求められていました。
授業であれ、会議であれ、目指すべきゴールは単に発言することではなく、皆が自分の意見を持ち、それを積極的に発信すること、そしてお互いの発言から最大限の学びや気づきを得ることです。そのためには、一部の人だけで議論していては限界があります。全員で意見を出し合えば、学びや気づきはどんどん深まります。
それこそが発言をすることの意味であり、私たちが目指すべきゴールでしょう。