金融広告中央委員会が2018年に発表した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、日本人の単身世帯では38.6%、二人以上の世帯でも22.7%が、預貯金などの金融資産を持っていないと回答しました。家庭に貯金が無いと、突然収入が減ってしまったり思いがけない出費があったりした場合、どこかから借金をする羽目になり生活がとても不安定になります。今回は貯金できない家庭が今すぐ見直したい項目とその対策を3つご紹介します。

対策1.固定費を見直そう

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(画像=PIXTA)

住居費と車代が高すぎると貯金は難しい

貯金ができない家庭では、そもそも収入に比べて家賃・住宅ローンが高い場合や、車の維持費が負担になっていることが多いものです。目安として、住居費と車代(自動車ローン、ガソリン、駐車場、自動車税、保険、車検、洗車、メンテナンス費など)が手取り収入の40%を超えていると、いくら節約しても貯金は難しいでしょう。

住宅ローンの返済プランを見直したり、カーリースやカーシェアリングが安く利用したりできないかを考えてみましょう。

毎月かかる支出は本当に必要か疑ってみよう

毎月必ずかかる費用に、無駄なものはないでしょうか。テレビ欄や見出ししか読めていない新聞はネットニュースでも確認できますし、定期購読している雑誌も興味ある月だけ買う方が安くなるかもしれません。特に、スマホ代は格安スマホにすると月に4,000〜5,000円安くなることもあります。他にも、足が遠のいているジムや習い事、今は利用していない定額サービスなど、毎月かかる支出を見直してみましょう。

対策2.細かい支出に敏感になろう

無意識の出費を意識しよう

お弁当を買いにコンビニに行くと、ついついカフェラテや期間限定のお菓子を探したり、3時ごろチョコレートやカップコーヒーを楽しんだりする人もいるでしょう。もちろんこれらは、いい気分転換になりリラックスにつながることもあります。ただ、毎日の習慣になっている場合は注意が必要です。

1日300円でも、1年間では10万円を超えます。必要だからではなく、惰性でそうした習慣が身についていないでしょうか。

まとめ買いは得にならないことも多い

飲料水や消耗品など、どうせ必要な物ならばまとめて買ったほうがお得なように思えます。しかし、ストックが大量にあることも、意外と消費を促します。例えば、特に喉が乾いてなくても、まとめ買いしたコーラがあるとついつい飲んでしまったり、タンスにトイレットペーパーが溢れているから、早く減らさないと、と思ったり。基本は、必要なものを必要な時に揃えることです。まとめ買いをする前に今一度考えてみましょう。

対策3.必要なものと欲しいものを区別しよう

スーパーに行くといろいろな食材があります。卵、鶏肉、赤ワイン、バター、ニンジン、豚肉、牛乳、ごま油、きゅうり、牛肉、オクラ、キムチ、もやし、長ネギ、玉ねぎ、納豆、じゃがいも、大根、トマト、ヨーグルト、コーヒー、ナス、などなど。

これらの中で、買いたいものはあるでしょうか?何も目的がない場合、自分の好きなものや、とりあえず何にでも使えそうなものを買ってしまいがちです。一方、今日はカレーを作ろうと決めて行くとどうでしょう。必要なものは、牛肉、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、とすぐにわかります。

この「カレーを作る」という目的は、要するにみなさんがどういう生活をしたいのか、何があれば本当に満足できるのかを決めることに当たります。自分に必要なものを考えるのはなかなか難しいことですが、それがはっきりしてくるに従って、自分に必要のないものも、買わなくていいものもはっきりしてきます。

貯金ができないと貯金が少しできるは大きな差

主に無意識に使ってしまう支出に対して、対策を3つご紹介しましたが、もしかしたらすべて見直しても貯金できるのは月に数千円かもしれません。しかし、貯金がまったくできないのと、月にわずかでも貯金できるのは大きな差です。貯金ができない人は、口座残高を気にせず入ってきた分だけ使ってしまいますが、支出をコントロールして今わずかでも貯金ができれば、収入が上がるに従ってどんどん貯金額を増やしていけるからです。今回ご紹介した対策のうち1つだけでも、今日から実践してみましょう。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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