★ダウ輸送株、ジャンクボンドは逆行安。 週明けの米国株市場は小幅上昇。全体に0.3%前後の上昇ですから、小動きといっていいでしょう。 6月10日以降は、ほとんどもみ合いが続いているといっていいでしょう。 先行指標のダウ輸送株と、リスク指標のジャンクボンドは逆に下げています。軟調という程度ですが、逆行安には違いありません。また、前者は25日線を、後者は50日線を若干割って終わったこともあまりいい兆候ではありません。 一つには、FOMCに対する過度な利下げ期待が先行しすぎていたこと、もう一つは今週から米国企業の4-6月決算の予想修正が本格化することから、警戒感が台頭してきていることもあるでしょう。 ただ、私見では市場は過度に利下げを織り込んでいる節があると思われ、市場の期待と連銀の予想が乖離している場合には、相場は調整色を強める可能性があります。
★中国の金融リスク。 このところ、人民元(対米ドル)が、じわじわと下落したがっているような動きです。 中国当局は銀行間市場での融資を拡大するように指示したようです。 インターバンクレート(とくに短期)が、このところ静かなのはそのためかもしれません。 先月、内モンゴル自治区の銀行を、中国当局が接収するという発表して以降、金融市場では動揺が静かに広がっています。 人民銀行ではこの不安の払拭のため、流動性供給を続けているようです。ただ、それでも一部中小ノンバンクでは資金不足といいます。 なかなか見えにくいのですが、中国からの資金流出が始まっているのかもしれません。 当然拍車をかけたのは、香港の騒動です。
★ビットコイン9000ドル台。高値更新。 ビットコインがにわかに高値更新です。 9327ドルまで(東京時間の6時17分時点まででは)上昇していたことが確認できます。 これが5月15日、26日、と段階的に高値を更新しており、足元ではここ二日ほど再び上昇基調を強め、9000ドル台確保となってきています。 もともと米国株相場の想定を、先行するビットコイン高値→53日後という、過去の平均パターンから推定することも紹介してきました。(「一粒萬倍の株式投資宝典(パンローリング社)で解説しています。 従来5月15日のビットコイン高値だったことから、7月後半に米国株天井と想定していたわけです。ところがその後ビットコインが断続的に高値更新をしているということから、米国株の天井の想定も7月末からかなり後ズレしてくる可能性がでてきています。
★ポジション管理: 個別主体の【梁山泊】モデルと、日経平均という指数プレイの【巌流島】モデルでロジックの異なる仮想運用実演をしています。
【梁山泊】モデル~方針変更、「フルポジション」から「やや警戒(キャッシュ目安1割)」へ。 日経CME円建ては21080円、日経平均先物夜間取引は21060円です。昨日の日経平均現物指数の終値は21124円ですから、やはり甘いスタートになりそうです。昨日もそうだったのですが、個人的には意外なほどしっかりしていたという印象でした。本日はさすがにダウ輸送株・ジャンクボンドが軟調ですから、ここは東京も軟調にならざるを得ないのではないでしょうか。 【梁山泊】では、「フルポジション」から「やや警戒(キャッシュ1割目安)」に変更です。ダウ輸送株、ジャンクボンドがそれぞれ25日線・50日線を割ったということは重大です。 ここで本日の時点での、今後の相場想定を整理すると、次のようになります。 足元では、輸送株・ジャンクボンドの軟調さから調整の可能性が、また先々はビットコインが高値更新中であるため、米国株の天井が7月末から8-9月へと後ズレし、上昇トレンドがさらに延命される可能性が、それぞれ出てきているということです。
【巌流島】では、からくもドテン反対売買を免れる週が続きますが、今週とりあえずは1570のホールド続行のままでいます。また今週もドテン反対売買の可能性に戦々恐々としなければならなくなりそうです。 (本日引け後のレポートは、「一粒萬倍」勉強会サイトを参照)
以上(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄