★ドラギ、パウエル、トランプの3連発材料で海外市場は大きく上昇。 すべてリップサービスですが、欧米市場は主要株価指数が軒並み1%以上の大きな上昇となりました。

・ドラギECB総裁が、「必要とあれば、金融緩和、量的緩和を行う」と発言。

・開催中のFOMCで一段と利下げに踏み込む観測。

・トランプ大統領が、習近平主席と電話会議をし、大阪のG20で首脳会談を開くことで合意(ただし、話し合い不調なら、直後に関税引き上げに踏み切る)

どれもこれも、当たり前の話で、ドラギ総裁の発言にしても、「必要とあれば」ですから、誰でも言える話です。連銀の利下げに対する異常なほどの市場の期待も、そもそもパウエル議長が「適切な措置を講じる」と言っていたのを、市場が「利下げ」と解釈しただけのことです。 すべてはリップサービスだけですから、なにか本質的な変化があって株が上がったわけではありません。 ただ、逆に言えばその程度の直近の相場下落であったわけで、そのていどの相場反発だということです。 基本は、アメリカがプレアナウンスメント(四半期決算前の予想修正期間)に入っているということです。

★主要指標の定点観測。

(米長期金利、アイランドリバーサルで反転か?) あまりと言えばあまりの利下げ期待で、米10年国債利回りはとうとう6月7日の最低水準2.053%を一気に割り込み、一時は2.029%まで低下。最終的には2.060%で終わりました。 一応、アイランドリバーサルとも見えるので、これで長期金利低下の異様な相場展開も、いったん底入れになるかもしれません。 すでにRSIは6月3日以降、逆行現象となっていますので、米長期金利反転上昇は時間の問題です。

(米国株指数は相次いで戻り高値更新) 一気にきました。米国主要株価指数はあいついで、すべての移動平均線を奪回、上回り、あろうことか戻り高値更新です。ダウ工業株、SGP500、ナスダック、リスク感応度の高いラッセル2000小型株指数、そして最大のリスク指標であるジャンクボンドもすべて移動平均線を取り戻して戻り高値更新。 先行指標のダウ輸送株指数、リスク感応度の高いラッセル2000小型株指数も25日線を奪回しました。

一応、テクニカルには警戒の必要のない状況に、たちまち復帰したことになるので、戦略方針はフルインベストメントに戻して良いでしょう。 これで、一応フルインベストメントに回帰、戦略方針で警戒の必要はなくなりました。 昨日飛び乗りのサン電子や、買い増しのユーグレナなどがこのまま相場に乗っていけるのか、景気敏感系の大型にポジションを映していかなければならないか、今週しばらく変化がを見ていく必要があると、仮想運用モデルでは考えています。(提供:Investing.comより)

著者:増田経済研究所 松川行雄