★米国株暴走。 昨晩の米国株市場は、文字通り暴走列車。7月利下げを織り込んで、株価は過剰流動性さながらの暴走となり、上昇。10年国債利回りが一時2%割れ。1.974%までの低下があった。最終的には2.001%。
★定点観測。 このため、資金があぶれ、結局株に向かう恰好となり、総合株価指数S&P500はなんと最高値更新。最大のリスク指標ジャンクボンドは大幅な続伸が続き、前日年初来高値更新だったが、昨晩は昨年年初の水準に迫ろうという勢い。 その他指標では、ダウ輸送株指数が200日線突破。残るは50日線のみ。 同じく遅れていた半導体SOX指数も昨晩50日線に到達。ここを抜くと、年初来高値が待っている。
★金先物ブレイクをトライ。 2014年までの過去6年にわたる、どうしても抜けなかった大きなレンジを上にブレイクししようとしている。 インフレ期待はない。むしろ、物価が上がらないことが問題になっているにもかかわらず、だ。地政学リスクを言う人もいるが(イランが米国製ドローン撃墜というニュース)。ありえない。イランは自滅が眼に見えている戦争などするはずがない。
★チャイナリスク。 どうも、地殻変動は、チャイナリスクかもしれない。人民元流出が始まっているという見方。昨日、猛烈な当局の人民元買い、押し上げの介入があった可能性。逆に言えば、激しい人民元下落圧力があったということにほかならない。だとすると、米国債ポジションの縮小という事実や、人民元の担保価値を増す金購入(金先物急伸)、それに伴うドル安→円高(107円台)と、説明がついてくる。 中国国内は、5月の内モンゴルの地銀破綻(実質国有化)以降、破綻リスト12行のリストが市場に出回っている模様。G20ではもはや時間切れで、米中協議妥結は無理。さあ、アメリカのハードデータは、利下げなど必要ない状況だが、市場は7月利下げまで前のめりで織り込み。さあ、連銀どうするか?
★窮地に立つ連銀。 ここで連銀が下手を打つと、暴落か、バブルか二者択一になってくる。この先に待っているものが何で、それがいつで、異変のシグナルが何であり、何を見ていたらよいのか、ここだけしっかり押さえておかなければ、7月はよほどの注意が必要になってくる。だから「一粒萬倍」勉強会サイトでこの一か月、アンテナを押さえておくことを勧める。そうした定点観測をするレポートは、世の中にはなかなか無い。
★円高で株が上がるという、異様な風景。 日経CME円建ては21425円、日経平均先物夜間取引は21430円。昨日現物指数終値は2142円ですから、むしろ小甘い。 が、この状況は前日もそうでした。結果、東京は思った以上に上昇。 円高がこうした先物の足を留めているのでしょうが、それを無視しての現物指数上昇になってくる可能性はあります。昨日と同じことが起こるかもしれません。円高で株高は、80年代後半バブル以来、なかなか見られない現象。なにを意味しているか、一目瞭然。(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄