ドルインデックスは先週から下げ相場となっている。

ロウRBA総裁は24日、「世界的に金融緩和が進む」場合さらに利下げを行うことの有用性を説いた。こののちに豪ドルとNZドルは高値を付けた。

各中央銀行が同時に利下げすることで国内企業や消費者の借入コストが削減できる。一方で為替レートへの影響は最小限に抑えられる。

それにも関わらず、豪ドルとNZドルは上げ相場となっている。7月2日の政策金利発表でFRBが金利を据え置くとの見方が背景にある。

ニュージーランド準備銀行は26日会合を行う。NZドル/米ドルが5日続伸となったことから、NZ中銀の利下げを支持するハト派姿勢を市場がこれ以上望んでいないことが見て取れる。

今週注目の5ポイントは以下の通りだ。

1. G20サミット

28-29日に大阪で開催されるG20サミットが今週の焦点だ。

再開予定の貿易協議に関しては米国側が前向きな姿勢を示す一方で、中国側は合意に懐疑的だ。

米中双方は協議再開に合意しており、ドルはハイベータ通貨に対して下落を続けることが予想される。

仮に米中どちらかが協議をキャンセルした場合は直ちにリスクオフの流れになり、ドルに買いが集まるだろう。

2. パウエルFRB議長発言

26日午前2時00分予定のパウエルFRB議長による講演にも注目だ。

市場はすでに年内の利下げを織り込んでいるが、パウエル議長が継続してハト派姿勢を取ればドル円の下落が進むだろう。同ペアの次の支持線は106.50である。

3. NZ中銀政策金利

26日午前11時00分、NZ準備銀行が政策金利を発表する。なおNZ中銀は前回5月に過去最低となる1.50%まで利下げを行ったものの、これ以上利下げを行わないことを示唆した。

一方で豪RBAは4日、同様に過去最低の1.25%まで利下げを行い、さらなる利下げを示唆している。

4. イングランド銀行(BOE)カーニー総裁発言

20日、BOEは政策金利維持を発表した。世界経済成長率の下振れリスクが高まっていることを指摘しつつ、円滑なブレグジットを前提として利上げ路線を継続した。

26日午後6時15分、カーニーBOE総裁が講演を行う。発言内容によってポンドドル相場が大きく変動するだろう。

5. 米国の対イラン制裁

トランプ米大統領は24日、イランのハメネイ最高指導者を標的として経済制裁を加える大統領令に署名した。

米国はイランに圧力を掛け交渉に持ち込む狙い。しかし双方の関係が悪化すれば市場への悪影響は免れないだろう。(提供:Investing.comより)

著者: キャシー リアン