★米中協議期待で、米国市場は総じて上昇。 現地27日の米国株市場は、ダウ工業株を除いて総じて上昇。 ダウ工業株の下げは、新たな不具合が

見つかったボーイング1銘柄が足かせとなったものです。 その他指数はプラス。一番弱く続落商状で25日線まで下げていたラッセル2000小型株指数は1.9%の大幅反発となり、50日線200日線を一気にすべて抜き去りました。 総合株価指数S&P500は5日ぶりの反発。 先行指標のダウ輸送株指数も反発ですが、200日線までは届いたものの、まだ50日線がすぐ上に控えています。 一方先行業種の半導体SOX指数は引き続き続伸で、最後の壁50日線を完全突破しています。きわめて象徴的なのは、半導体製造装置最大手アプライド・マテリアルズAMATは、なんと終値ベースで年初来高値更新です。 ちなみに、リスク指標のジャンクボンドも反発しています。

★米国債は上昇(利回り低下)。 米10年国債は一転、昨晩は買い直されています。 長期金利は再び低下。ただしザラ場を通じて2%を割るということはもはやありませんでした。 最低でも2.004%。最終的には2.005%でした。 連銀関係者からは、あまりにも前のめりになっている市場の「利下げ観測」対する牽制発言が相次いでいます。

★1-3月GDP確報値、3.1%。 今年1-3月のGDPの確報値は、改定値と同じく3.1%でした。 市場予想とも一致しました。輸出と在庫が押し上げ要因。一方、国内需要は弱いといないようです。この内需が弱いという傾向は4-6月も続いている模様です。 それが反映されているのか、景気循環を示す代表的な2銘柄、キャタピラーCATとユニオンパシフィック(鉄道株)UNPは、チャートが明暗を分けています。 中国など海外売上が全体の半分を占めるキャタピラーはすべての移動平均線を抜き去って、5月末の安値以来、13%の上昇です。 一方ユニオンパシフィックは安値は6月17日につけたものの、低迷しており、50日線・25日線を下回ったままです。 このことから、市場は米中問題はほぼ何がでても織り込み済で、あくまで米国国内景気の鈍化傾向をまだ警戒しているということがわかります。

★もはや、円高にはならない。 先日6月25日には106.77円まで下げて、あわやという状況でしたが、結局その後はこれを更新することなく、現在107.80円前後で推移しています。 まだブレはあるのでしょうが、どうも円高トレンドがどんどん進行していくという可能性はなさそうです。 連銀に対する市場の異常なほど強い利下げ観測、そして日銀の次の一手はもはや緩和しかないという観測にまで至っている中で、ドル円が一気に崩れないどころか反発したこの2日間を考えますと、もはや円高にする力も無いのではないかという気がします。 株も同じことで、先日も年初来最低の売買代金・出来高という、完全に買い手控えの真っ只中で、日経平均を売り崩すことができず、25日線すら割らせることができなかったということは、そもそも投機筋にはこうした売り崩しをする余力が遺されていないか、さもなければハナからその気はなく、むしろ相場の上を見ているのではないか、という気がします。

★外人が買わなければ、シクリカルが上がるはずがない。 ここでポイントです。 昨日、東京市場が思った以上に上昇したわけですが、これが外人の手によるものだと私見では思っています。 臆病な国内機関投資家や、信用損が膨らんでいる個人が積極的に買ったとは到底思えません。一部動ける個人は買ったでしょうが、ごく一部でしょう。景気敏感の大型が上がったわけですから、ここに手を下せる国内勢はほぼいなかったと思います。 日本株を買うというとき、外人は必ず景気の初動段階で入ってきます。 そして、そのときの対象は確実にディープシクリカルからであるというのがセオリーです。 半導体・機械といった先鋭な先行業種が、狙いを定めたかのように昨日一斉高したというのは、外人以外に考えられないと思っています。

★戦略方針: 日経CME円建ては21205円、日経平均先物夜間取引は21190円。 昨日現物指数が21338円ですから、夜間ではむしろ日経平均は後退していることになります。 いささか昨日の東京市場が勇み足だったということなのか、夜間で先物を売っておいて、東京の現物では買ということなのか、このへんは微妙です。 裁定買い残積み上げに入っているのであれば、十分考えられることでしょう。 個別主体の【梁山泊】モデルでは、フルポジションの方針持続。 日経連動ETF2種類だけで運用する【巌流島】では、引き続き1570のホールド続行。巌流島方式は、ここで初めて1570買いからエントリーしても十分問題無いのではないかと考えています。(提供:Investing.comより)

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著者:増田経済研究所 松川行雄