クライアント先の決裁ルートを把握するテクニック

決裁権の把握
(画像=THE21オンライン)

商談規模が大きくなればなるほど、その商談に関わる顧客の部門や登場人物の数はどんどん増えていく。

その際、商談が相手企業のどのような意思決定プロセスで進んでいくのかという決裁ルートが分かっているか否かで、受注率には決定的な差が生まれてしまう。

今回は営業を成功させるための決裁ルートの把握について共有していく。

営業力のある会社は、新人にも「決裁ルート」を探らせる

いわゆる「営業力のある会社」に共通していることは、新人営業パーソンにアカウントやターゲットとなる見込み客の「決裁ルート」が必須のヒアリング項目であることを教え込み、その把握の方法を徹底的に指導していることだ。

官公庁や自治体のような入札であれば、決裁権や決裁ルートを事細かに探る必要はなくなるが、日本の場合は入札ではない商取引が圧倒的に多いので、決裁ルートを把握した上で、受注率を高める施策を展開した企業のほうが有利になる。

商談をスタートするに当たって把握しておきたいのは、できれば「決裁権」と「決裁ルート」について、事前に前任者や関係者から聞いたり、業界としてありがちなプロセスを推測したりして当たりをつけておきたい。

決裁権は会社によりバラバラだが、パターンはある

決裁権というのは、どの部門のどの役職の人がいくらまで決定できるかという裁量権のことで、大手企業の場合は100万円までは部長職、1000万円までは取締役、それ以上は取締役会や常務会などの合議で決めるパターンや、ある一定の金額以上は稟議で決裁するケースなどが多い。

中には係長が3億円を決裁する超大手企業も存在する。

大手企業以外の場合では、25万円の商談でも社長決裁が必要な企業もあれば、課長が100万円を決裁する企業もあるものの、企業規模と商談規模によってかなりの類似性があるので、それらのパターンを推測しておくだけで、実際の決裁権や決裁ルートが把握しやすくなる。