不動産投資・マンション経営で成功するには、社会の変化を敏感に感じ取ることが大切です。未来の入居者ニーズをいち早くつかむことで他の物件に対して差別化を図り、競争力を上げることもできるからです。

大学や企業の移転・新設ニュースに敏感であるべき理由
(画像=Sean K / Shutterstock.com)

特定の施設への過度の依存はリスク

マンションなどの居住用不動産は、当然ながら人が住むところに建設されます。よって、近隣に大きな大学や工場がある場合、その影響をダイレクトに受けることになります。

大学のキャンパス移転や工場の進出・撤退によって不動産ニーズが変化し、物件の入居率が大きく変わることも少なくありません。そのため、不動産投資をするなら大学や企業の移転・新設といったニュースをキャッチするためにアンテナを張っておく必要があります。

物件が大学や工場など特定の施設を利用する入居者に依存している状態は、不動産投資の観点では望ましい状態とは言えません。このような物件は、「学生依存物件」「工場依存物件」と呼ばれることもあります。

このような依存物件は、現在は入居率が高くても、大学や工場の移転・撤退によって一気に空室が増えるという潜在的なリスクがあるからです。

学生獲得競争から私立大学の都心回帰が加速

近年、私立大が都心にキャンパスを回帰させる動きが目立ちます。その理由は、少子高齢化の影響により大学間の学生獲得競争が熾烈を極めていることにあります。利便性の悪い郊外のキャンパスでは、大学を維持するのに十分な学生数を獲得することができなくなりつつあるのです。

そのため、明治大学や帝京平成大学などの私立大学は、都心のキャンパス新設・都心へのキャンパス移転に乗り出しました。2018年12月には、中央大学も法学部キャンパスの都心への移転を発表しています。

都心のキャンパスに学生が集中すれば、郊外にキャンパスを持つ大学にはますます学生が集まりにくくなり、最悪の場合は経営が成り立たなくなることもあり得ます。今後も私立大学キャンパスの都心回帰の傾向は、しばらく続くと見られています。

しかし、かつて郊外の大学キャンパス新設が相次いだのは、地方創生の考え方に基づいたものでした。したがって、今回の都心回帰の動きもいつまで続くかはわかりません。

キャンパスの移転は、不動産ニーズにも大きな影響を与えます。不動産投資家は、今後も大学の動きをチェックしておくべきでしょう。

職住近接によって変わる都市部の不動産ニーズ

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京では再開発が急ピッチで進んでいます。渋谷や池袋では高層の商業施設・複合施設の建設計画が着々と進められ、都心の不動産ニーズはめまぐるしく変化しています。

また、満員電車の通勤ストレスが問題視されたこともあり、東京では職住近接の動きが加速しています。職住近接とは、職場と住居がすぐ近くにあるという新しいライフスタイルです。

かつては郊外に家を建て都心に通勤するという、職場と住居が遠く離れているケースが多く見られました。しかし、最近では通勤ストレスの少ない職住近接を選ぶ人がシングル世帯、共働き世帯などを中心に増加しています。

通勤ラッシュで疲弊してしまうと、仕事にも支障が出る可能性があります。このことから、政府も職住近接を後押しする動きがあります。

現在も、都市部を中心にオフィスエリアと居住エリアを併せ持つ物件があります。職住近接の流れを読み取り、不動産投資に活かすことができれば大きなチャンスになるかもしれません。

不動産投資の成功を決める要因には、様々なものがあります。不動産に関する専門的な知識を身につけることも大切ですが、アンテナを高く張って情報感度を高く保つことこそ不動産投資で成功する秘訣(ひけつ)と言えるでしょう。

他の不動産投資家が注目していない情報をいち早くキャッチできれば、将来性のある物件を見極めて投資したり、リフォームなどで他の物件との差別化を図ったりすることもできるでしょう。(提供:ヴェリタス・インベストメント

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