決算発表本格化 4-6月期の数字が悪くても先行き改善期待が台頭するか
今週から4-6月期の決算発表が本格化する。24日の信越化学工業(4063)、日本電産(6594)、25日の日立建機(6305)、26日のキーエンス(6861)、東京エレクトロン(8035)など主力製造業の決算が目白押しだ。特に注目は日本電産だ。思い起こせば今年の1月、日本電産は業績を下方修正したが、その理由が「大規模な在庫調整」だった。それから半年が経過した今、どの程度在庫調整が進展しているか、会社側のコメントに注目したい。
先週のストラテジー・レポートでも書いたが、市場は業績の底入れとこの先の回復の兆しを織り込み始めた感がある。4-6月期の数字が悪くても先行きに改善期待が持てれば株価は上昇するだろう。まさに先週金曜日の半導体関連株の値動きがそれであった。今週の主力製造業の決算発表に市場がどのように反応するか見定めたい。
米国でもボーイング、キャタピラー、ユナイテッド・テクノロジーズ、インテル、アルファベットなど主要企業の決算発表がある。リブラが大きな話題になっているフェイスブックも24日に決算を発表する。こちらも決算を受けて再び最高値更新となれば日本株にも追い風だろう。
参院選で「改憲勢力」の議席数が非改選をあわせて全体の3分の2に届かなかったが、相場の悪材料ではない。安倍首相は自らの総裁任期である2021年9月までに憲法改正の国会発議と国民投票を目指すと表明した。改憲を目指すなら今後も経済対策は疎かにできないはずだ。消費増税も控え、これから打ち出される景気対策期待も高まるだろう。参院選の結果はあまり相場の材料にはならないだろうという見方が一般的だが、やはり国政選挙6連勝のインパクトはある。政治の安定は市場の買い材料になるだろう。
今週の予想レンジは2万1300円~2万1900円とする。
広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術』
【関連リンク マネックス証券より】
・参院選終了で、年金財政問題が再び焦点に
・米銀大手行の4-6月期決算:利下げでも、米銀は恐らく強い
・業績のボトムと確信できるか
・5月決算銘柄の決算集計 ドラッグストアの決算は
・年後半の相場展望