不動産投資を行う以上、資産価値の向上が期待できる物件を選びたいものです。とはいえ、どのエリアが有望なのか、どんな物件を選べばいいのかなどはなかなか判断しにくいものです。そんな時に参考にしたいのが、東京カンテイが調査している「マンションPER」です。これは、マンションの価格が賃料の何年分に相当するのかを示したものです。

マンションPERが20なら、購入時の投下資金を20年分の家賃収入で回収できることを意味します。マンションPERが25なら回収に25年かかり、15なら15年で済みます。つまり、マンションPERの数値が小さいほど割安であり、大きいほど割高ということになります。

JR神戸線尼崎駅のマンションPERは14.40に

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(画像=Sean Pavone / Shutterstock.com)

東京カンテイによると、2018年の近畿圏のマンションPERの平均は22.85でした。2017年に比べて0.64ポイントの上昇で、2013年から5年連続で上昇しています。

新築マンションは毎年販売価格が上昇していますが、賃料は簡単には上がらないのでPERの上昇が続いているのです。不動産投資を検討しているのであれば、これ以上PERが上がらないうちに物件を購入するのが得策かもれません。

近畿圏のマンションPERが上がっているとはいえ、首都圏平均の24.96と比べると近畿圏のマンションPERはまだまだ低く、相対的に割安で有利と言えます。近畿圏の調査対象となっている109駅のうち、最もPERが小さく割安感のある駅は、JR東海道本線尼崎駅の14.40でした。ちなみに尼崎駅の70平方メートル換算の中古マンション取引価格は3,073万円で、同賃料は17万7,788円です。

住みたい街ランキング「穴場駅」のトップに

尼崎駅はJR大阪駅からわずか2駅で、JR東海道本線・福知山線のターミナル駅であり、特急や新快速の停車駅です。このところ駅前の再開発が進んで、エリアのイメージも大きく変わっています。かつては工場の街というイメージが強かったのですが、最近では大阪の都心に近い交通アクセスに恵まれたエリアとして人気が高まっています。

尼崎駅は、リクルート住まいカンパニーが提供する『住みたい街ランキング(関西)』の「穴場だと思う駅」ランキングでトップでした。同じく尼崎市内の阪急神戸線の塚口駅も3位に入っています。このような多くの人が住んでみたい思うエリアや、人気が高まると予想されるエリアであれば、不動産の資産価値の上昇が期待できるでしょう。

大阪駅や中之島駅などの都心も意外な狙い目

尼崎駅に次いでマンションPERが低く割安感のある駅はJR東海道本線大阪駅の16.09で、3位は京阪中之島線中之島駅の16.09でした。

大阪駅は言うまでもなくJR大阪環状線とのターミナル駅であり、阪急京都線・神戸線・宝塚線や阪神本線梅田駅、大阪メトロ御堂筋線梅田駅、大阪メトロ堺筋線東梅田駅や大阪メトロ四つ橋線西梅田駅にも隣接し、西日本最大のターミナル駅です。また、大阪駅北口では「うめきた」と呼ばれる大規模な再開発が進んでおり、いっそう便利な街になりつつあります。

梅田駅は大阪の顔、西日本の顔であるにもかかわらず、70平方メートル換算の新築マンション価格は5,320万円で、同賃料は27万5,488円です。便利な場所で高い賃料を得られる割に、東京の都心などに比べるとマンション価格はまだまだ低い水準にあるためマンションPERは16台にとどまり、割安感が強くなっているのです。

京阪中之島駅は、大手企業や公共施設などが集積する大阪のビジネスの中心地です。こちらも賃料は25万円台と高い水準にもかかわらず70平方メートル換算の新築価格は5,105万円で、都心にありながら割安感の強いエリアと言えるでしょう。(提供:YANUSY

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