不動産投資を本格的に勉強したいが「セミナーや勉強会に行くヒマがない」というビジネスパーソンも多いだろう。そこで活用したいのが不動産投資の専門書だ。仕事や家庭での隙間時間で効率的に知識を吸収できる。

「リスク」「税金」「賃貸管理」など、不動産投資の5つの関連本を紹介

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(画像=PIXTA)

不動産投資をテーマにした本は無数にある。ここでは忙しいビジネスパーソンもこれさえ読めば不動産投資の基本を押さえられるという5冊をセレクトした。効率的に知識を仕入れてもらいたい。

『不動産投資リスク大全』著者:村上幸生――発生するリスクを把握できる

不動産投資に失敗する人の共通点は「購入すること」自体が目的になってしまっていることと著者は指摘している。不動産投資は「購入目的」と「購入した後」が大事であり、それを初心者に学習してもらうための物件探しから売却までのリスクを一冊にまとめてある。

本の中で挙げられている具体的なリスクは「知識と意識がないリスク」「お金の知識がないリスク」「人の意見に流されるリスク」「物件の判断基準にまつわるリスク」「購入時に知っておきたいリスク」「オーナーになってからのリスク」「売却時に知っておきたいリスク」だ。

この本を読むことで、不動産投資に関するさまざまなリスクを把握することができる。事前にリスクを知ることで、予防策や対応策がわかるので安心して事業を始めることができるはずだ。

『2時間で丸わかり 不動産の税金の基本を学ぶ』著者:吉澤大――投資を始める前にかかる税金についても把握

不動産投資をはじめると実に多くの種類の税金が発生する。たとえば、所得税、住民税、事業税、贈与税、相続税、消費税などだ。これらを把握しないまま運用すると「想定したよりも利益が出ない」というケースに陥りやすい。

これを防ぐには税金の内容を知った上で計画を立てるべきだが、現実的に税金の知識を学ぶのは大変だ。そこで役立つのが不動産投資に強い味方となる税理士が執筆した本書である。

不動産投資スタートに必要な税金の知識をわかりやすく解説し、専門用語も丁寧に教えてくれるので、税金の知識がない方でも読み進めることができる。スムーズに読めるように対話形式やイラストを多用しているのも特徴だ。

『賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド』著者:太田垣章子――トラブルの予備知識を仕入れるのに最適

不動産投資において物件を購入したあとの賃貸管理(入居者管理)は、管理会社に依頼するケースがほとんどだろう。そのため賃貸管理には興味がないという投資家もいるが、これは危険な考え方だ。

賃貸トラブルが発生したら、最終的な責任はすべてオーナーがとるため、ビギナーといえどもトラブル対応の基本は抑えておきたい。著者は数千人の悪徳賃借人の追い出し訴訟を担当してきた司法書士。それだけに家賃滞納が発生したときの対応策を知り尽くしている。

また購入後トラブルが発生しやすい物件の特徴と、万が一トラブル物件を購入してしまった場合の解決法についても解説している。ゆくゆくは複数の物件を所有したい、一棟物件を持ちたいという本格的な大家を目指す人には大いに役立つだろう。

『買っていい一流マンション ダメな三流マンション』著者:碓井民朗――物件選びで役に立つ情報が満載

本書は不動産投資の中でもとくにマンション投資を考えている人に役立つはずだ。物件購入時は立地や建物のデザイン性などばかりに見てしまいがち。だが構造や間取り、内装、共用施設など複数の視点で見ることで、一流物件と三流物件の差がわかると提唱する。

三流物件の中には傾斜マンションのような取り返しのつかないケースもあるが、そこまでいかなくても資産価値が大きく損なわれる可能性もある。

本書は住居用マンションをテーマにしているが、不動産投資の物件選びでも役立つ情報がたっぷり。著者は大手デベロッパーのマンションを設計・監修してきた設計士で、それだけに説得力と深い知識に富んでいる。

『最新「金持ち大家さん」になる!アパート・マンション成功投資術』著者:浦田健――不動産投資の基本知識から具体的ノウハウまで

最後に多くの不動産投資本の中から、1冊だけを選ぶのであればこの本を紹介したい。

前半では不動産投資に必要な知識を全般的にバランスよくまとめていて、不動産投資のメリット・デメリット、物件の種類、利回りの考え方などを解説している。

一般的な入門書はこういった基本情報で終わることが多いが、後半では物件の情報収集や物件選び、物件調査、事業収支計画など、実際に経営をスタートするための具体的なノウハウを提供してくれる。

日本初の不動産投資専門資格である「不動産実務検定1級」に対応している。

まずはこの5冊から読み始めてみよう

今回は5冊を選んだが、不動産投資で万全なスタートを切るには少なくとも数十冊の本を読むのが理想だ。不動産投資では金融機関からの多額の借り入れや、長期スパンといった特性があるため、不動産投資の基礎知識をしっかりと学んでから始めるようにしよう。

文・本間貴志(不動産・税務ライター)/MONEY TIMES

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