今、企業の環境対策として、注目を浴びている単語があります。SDGs(エスディージーズ Sustainable Development Goals)というワードで、2016年から2030年までに達成すべき、環境に配慮した開発目標のことを指します。

その中でも、今多くの企業が取り組みを始めているのが、プラスチックごみの削減です。レジ袋やストローなどのプラスチックごみによる海洋汚染が問題になる中、プラスチックのストローをやめて紙ストローに変えるなどの取り組みを行う企業が増えています。企業が今後どのようにSDGsを取り入れていくかについて解説します。

SDGsとは何か?何が決められた?

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(画像=noPPonPat/Shutterstock.com)

まず、そもそもSDGsとは何かについて、簡単に解説しましょう。SDGsは、「持続可能な開発目標」とも言われるもので、2015年の国連で採択された、「2030年までに世界で目指す目標」のことを指します。このSDGsは、17個のゴールと169個のターゲットからなっており、国連に加盟するすべての国が目指すべきターゲットとなっています。

これまでも、国連では、2001年~2015年の間で、「MDGs(ミレニアム開発目標)」と呼ばれる、8個のゴール、21個のターゲットを設定していましたが、それをさらに拡大したものになります。

SDGsの17個のゴールは、「貧困」「飢餓」「教育」のような項目から、「持続可能な都市」「気候変動」「海洋資源」など、環境に関連した項目にまでわたっています。今、企業の取り組みとして、こういった環境に対するアクションが進められているのです。

プラスチックごみの削減に取り組む企業

このSDGsの中でも、ひときわ注目を浴びているのが、脱プラスチックです。プラスチックが海洋資源を汚染していることが問題になっており、プラスチックを削減しようとする動きが世界的に広がっています。

欧州では、2018年1月に「欧州プラスチック戦略」を公表し、2030年までに全てのプラスチック包装を再利用または素材としてリサイクルするとし、使い捨てプラスチック製品を削減する目標を掲げています。

また、2018年6月のG7においては、「G7海洋プラスチック憲章」が承認されるなど、世界的な動きになっています。米国と日本は海洋プラスチック憲章には署名しませんでしたが、こういった動きはさらに加速していくでしょう。

企業単位でもプラスチック削減の動きに取り組んでいます。例えば、すかいらーくホールディングスでは、2018年12月に店舗でのプラスチックストローの提供を廃止しました。ファーストリテイリングでは、ユニクロが2019年9月からプラスチック袋を廃止する方向です。また、味の素は、2030年を目途にプラスチック廃棄をゼロにする目標を掲げています。このように、SDGsを受けて、各企業でも、プラスチック削減の取り組みが進んでいます。

企業がSDGsに取り組む意義とは?

では、企業側から見て、SDGs経営には、どのような意義があるのでしょうか。

守りの面でいうと、今後、SDGsを意識しない企業は、企業としてのブランド力、評判の低下につながる可能性があります。企業の社会的責任という言葉がありますが、SDGsを意識しない企業は、社会的責任を果たしていないと言われるかもしれません。そういった観点でSDGs経営を行うことは、企業イメージを守るために必要なことになるかもしれません。

また、逆に考えると、SDGsを意識した経営は、それだけ事業機会があるという捉え方もできます。SDGsを実践するには、数兆ドルの投資が必要とも言われています。つまり、それだけ新しい市場があるのです。この新しい市場に挑戦できる事業機会を持つことができるというポジティブな考え方もできます。

SDGs経営はスタンダードになりつつある

SDGsを中心とした、世界の課題を解決する動きは年々拡大しています。企業の観点から見ても、SDGsを意識した経営というのがスタンダードになりつつあるタイミングであると言えるでしょう。あなたの企業でも、SDGsが新しいチャンスになるかもしれません。これを機に、身の回りの環境について、ビジネスの視点から考えてみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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