「今後のポジティブな要因は?」「今後の取り組み方は?」。こうした視点で不動産投資家たちに質問をぶつけた調査の結果は、現役の不動産投資家がいまの市場状況をどう受け止め、何を考えているかを探る上で興味深い内容です。最新調査の結果を紐解きます。

今後1年間、不動産投資を積極的にする?しない?

不動産投資家,頭の中
(画像=turgaygundogdu/Shutterstock.com)

今回着目する調査は、一般財団法人「日本不動産研究所」の「第40回 不動産投資家調査」(2019年4月現在)です。調査対象は、アセット・マネジャーやアレンジャー、保険会社、投資銀行、年金基金などの担当者で、回答者数は企業数ベースで124社となっています。

まず「今後1年間の不動産投資に対する考え方」を聞いたところ、「新規投資を積極的に行う」と答えた人は前回より4%増の94%となっています。

調査では「不動産投資家の新規投資意欲は、積極的な姿勢が示された」と解説した上で、その要因については、世界経済においては先行き不安が一部であるものの、日本国内の不動産投資マーケットに影響を与える懸念点が少ないとみられていることなどを挙げています。

投資意欲が高いことは資産の売却を控える傾向にも結び付いており、今後1年の間で「既存の所有物件を売却する」と答えた人は大きく減り、この10年間で最低水準となる19%に留まる結果となりました。

日本の市場を取り巻くポジティブ要因とネガティブ要因は?

このように不動産投資への積極姿勢が顕著となる中、日本国内の不動産市場に対して不動産投資家たちは特に「インバウンド投資の加速」(海外投資家による日本の不動産投資の加速)をポジティブ要因としてとられているようです。

加えて、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的年金による不動産投資の加速」や、2019年ラグビーW杯、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2025年大阪万博などの国際行事が次々開催されることに対する期待感も高まっている結果となっています。

一方でネガティブ要因としては、「金利の上昇リスク」に対する回答が最も顕著で、突発的に政治や地政学上の問題、自然災害などを懸念する回答も多く、レンダー(金融機関など)の融資姿勢の変化などを指摘する回答もありました。

このほか、不動産テックがどのように進展していくかや、各エリアレベルで言えば、大型都市計画の有無などに注目している人も少なくないようです。

海外不動産投資の現状と期待

調査では海外不動産投資に関しても質問を設けています。既に投資・融資を実行している回答者の中では、アメリカで実績があると答えた人が全体の71.4%と最も多く、次いでイギリス38.8%、オーストラリア32.7%、シンガポール30.6%と続きました。

一方で海外不動産投資の実績がないものの、今後行う予定である人の投資・融資先の候補は、アメリカが72.2%で最も高いものの、発展途上国や新興国への関心が顕著に表れており、タイが27.8%、ベトナムが22.2%、ミャンマーとインドネシアが各16.7%と、東南アジア諸国も上位にランクインしています。

「プロ」の意見は有力な見通し

こうした結果のほかにも、海外投資家が日本の不動産投資市場をどう評価していると感じるか、といった興味深い内容も調査対象となっています。ちなみに最も高い割合だったのが「不動産投資市場の安定性」で、その後は「ファイナンス・資金の調達環境」「不動産投資市場の規模」と続いています。

日本の不動産投資市場は世界情勢や国内景気などさまざまな点に影響を受けますので、こうした現役の不動産投資家の予測が当たるとは限りませんが、第一線で投資を行っている「プロ」の意見はぜひ有力な見通しとして参考にしたいものです。(提供:JPRIME


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