人気の世田谷区の不動産は買い時か?
2020年に東京オリンピックの開催を控えている現在。世田谷区内ではオリンピックの開催に向けて大蔵競技場でのアメリカ選手団のキャンプ実施や馬事公苑での馬術、駒沢オリンピック公園総合運動場での陸上競技の開催などに向けて準備が進んでいます。また、街の整備や再開発なども進んでいます。
世田谷区は人口流入が23区内で最も多く人気の区ですが、今回は世田谷区の不動産価格・相場を確認して買い時を検証してみました。
1.これまでの世田谷区の地価の動向は?
これまでの地価動向を確認するために、2009年~2018年までの世田谷区の地価推移を他の区と比較してみました。まず、図1は世田谷区の公示地価 ㎡単価と変動率です。図2は都内でも地価が高額と言われている中央区の公示地価 ㎡単価と変動率です。
図1 世田谷区の公示地価 ㎡単価と変動率
図2 中央区の公示地価 ㎡単価と変動率
ここで読み取れるのが、2009年~2018年までの推移で世田谷区の地価は比較的安定していると言うことです。一方で中央区は地価の上昇率も高く資産価値が高いように見えますが、上昇率や下落率も高い傾向があると言えます。
具体的には2018年の中央区の地価は対2009年比で㎡単価が324,600円のプラス、地価変動率は37.26%の上昇になっています。これと比較して2018年の世田谷区の地価は対2009年比で㎡単価が28,700円のプラス、地価変動率は5.12%の上昇になっており、中央区と比較すると地価が安定している傾向にあると言えます。
続いて、東京都郊外のベッドタウンとして知られる八王子市、インバウンドを中心に人気が上昇していると言われる荒川区のデータを見てみましょう。
図3 八王子市の公示地価 ㎡単価と変動率
図4 荒川区の公示地価 ㎡単価と変動率
棒グラフ:公示地価 ㎡単価 折れ線グラフ:変動率
※図1~4 データ「東京都基準地価格 区市町村別用途別 平均価格の推移」
八王子市(図3)、荒川区(図4)が2009年から2018年までの公示地価 ㎡単価と変動率になります。2018年の八王子市の地価は対2009年比で㎡単価は4,700円のマイナス、地価変動率は-3.90%。荒川区の地価は対2009年比で㎡単価は5,400円のマイナス、地価変動率は-1.24%になっています。
八王子市は、2008年の"リーマンショック"以降に地価が下落して以来、未だ2009年の地価水準に満たない状況です。
また、荒川区については"東京スカイツリー"竣工などで、2012年前後に地価の変動が大きい傾向にありました。その後、2015年の上野東京ラインの開通や近年のインバウンドの増加(荒川区の外国人居住者は全体の約10%の割合を占めています ※1)などにより徐々に地価が上昇傾向にあります。
※1 荒川区「世帯と人口」より
2.世田谷区の地価はどうなる?
世田谷区内は、国勢調査によると昼間人口、常在人口(夜間人口)共に東京都内の中でもトップ水準の街です。2011年に開業した「二子玉川ライズ」や2018年に開業した「GEMS 三軒茶屋」など「働く街・遊びに来る街・住む街」としての調和がうまくとられており、都内でも人気の高いエリアです。
特に、常在人口(夜間人口)だけで見ると世田谷区は東京都の中で最も多い人口となっています。都心部の主要駅へストレスなくアクセスできる環境や、区内の住環境が整備されていることが世田谷区の人気、需要を高めているのではないでしょうか。
世田谷区は地価が安定していると共に、人口の動きを見ても需要と供給のバランスが良いエリアと言えるでしょう。地価が安定していると言うことは、市場動向などに惑わされることなくじっくり不動産を探せるメリットがあるとも言えます。
一生の中で一番高いと買い物と思われる不動産だからこそ、資産価値を考慮し地価の安定したエリアで不動産購入を検討してみるのはいかがでしょうか。(提供:sumuzu)