ZUU <4387> は2019年8月9日、2020年3月期第1四半期を発表した。本記事では、同日発表された「2020年3月期第1四半期 決算説明資料」をスライドとともに解説する。
「メディア・サービス」、「フィンテック化支援サービス」ともに売上高が順調に伸びた。メディア・サービスはメディアのブランド力が向上し、有料会員向け売上が貢献した。フィンテック化支援サービスは新規案件の大型化に伴う単価の増加が増収につながった。
費用面に関しては、事業領域の拡大に伴い、人件費が増加した。成長投資分野である有料会員サービスの拡充に伴い、開発費用も増加した。ただ費用増を上回る売上高増を実現し、増益となった。
連結売上高(2020年3月期第1四半期 累計)は、前年同期比(2019年3月期第1四半期 累計)29%増の384百万円となった。
フィンテック化支援サービスの売上高は、前年同期の183百万円から23%増加し224百万円に。メディア・サービスの売上高は、前年同期の112百万円から42%増の159百万円に。
メディア・サービス、フィンテック化支援サービスの2つともに売上高は順調に成長。特にメディア・サービスはトラフィックが増加し、送客などの広告商材、有料会員向けの売上等が貢献した。
既存商材と新商材ともに収益に貢献し、前年同期比で大幅な増益となった。
第1四半期累計での進捗率は、通期予想の売上高16億円/営業利益0百万円に対して、売上高24%と、業績予想の達成に向けて順調に推移した。
2019年第4四半期決算説明資料で発表した成長投資のうち、第1四半期は主に新商材である有料会員サービスを中心に33百万円を投下。今期は300百万円の成長投資を実施する予定となっている。
「日経CNBC」「近代セールス」に続き、海外の金融アドバイザー向け情報提供サイト「Think Advisor」の日本語訳コンテンツの連携を開始した。会員限定イベントも開催し、好評となっている。
「老後2000万円問題」をきっかけに証券口座開設数が増加するなど、既存サービスである送客支援が好調。さらに社外取締役として五味氏が就任し、コンプライアンス体制の強化が進む。こうした動きが新商材である金融商品仲介業開始に向けた追い風になっている。金融商品仲介業の免許は第3四半期を目途に取得する予定。
株主還元の充実のため、143百万円規模の自社株式の買付(7月に終了済)を実施した。インセンティブ・プランとして、当社役職員に有償、または税制適格ストックオプションを付与し、高い業績目標へのコミットを企図している。
PDCAシステムは前年同期比69%増と、売上高が大幅に増加。これに伴い、顧客企業へPDCAシステムを導入して課題を明確化し、その課題解決のため、フィンテック化支援等の他商材を提供することに繋がっている。
当社コア・バリューである『鬼速PDCA』(※2016年10月書籍出版)を、顧客企業へ、業務効率化のための”PDCAシステム”として拡販。システムを企業文化に昇華させ、仕組み化することで社員の行動変革や成果につながるよう、組織向けコンサルティングも一部提供している。
次四半期以降、成長投資をさらに強力に、スピーディに推進する。特に(1)会員サービス:会員獲得に向けたプロモーションの強化、(2)金融サービス:M&A仲介領域への進出を企図し連携を強化、(3)PDCAシステム:多方面での金融機関との連携強化ーーに着手する。
会員サービスでは、マネタイズ施策の検証が奏功し、『ZUU online』会員数、LTVともに堅調に推移。会員獲得のための広告プロモーションのCPAは低く維持できており、第2四半期以降、一気にアクセルをかけていく。
金融サービスでは2019年7月、日本M&Aセンター様と合弁会社を設立。メディアプラットフォームを構築し、協業で”M&A仲介”市場への参入を目指す。
金融機関との連携強化では、PDCAシステム販売促進の業務提携、及び共同イベントの開催を通じ、中小企業向けにPDCAシステムを活用した働き方改革・生産性向上の支援を実施していく。