不動産経営が単なる「不労所得」だと考えているならば、それは間違いだろう。実体のある不動産で収益を上げ続けるためには、正しく継続的な管理と修繕が必要不可欠だからだ。不動産経営における管理手法3つを紹介する。

不動産経営の賃貸管理手法3選

不動産投資でも”複利”効果が得られる?
(画像=PIXTA)

不動産経営における賃貸管理手法は主に下記の3つだ。

 ・マンション管理会社や不動産会社などに管理を委託する
 ・サブリース契約を結び、借り主に管理・修繕を委託する
 ・自分自身で管理を行う自主管理

今回は区分所有マンションなどの住宅を想定し、不動産で収益を上げ続けるのに欠かせない上記3つの賃貸管理手法について解説する。

賃貸管理とは何か?

そもそも賃貸管理とはどういうことをするのだろうか。賃貸管理と一口に言っても、その業務内容は多岐にわたる。賃借人との賃貸借契約に始まり、家賃管理、建物管理、入居者とのトラブル対応、退去後の原状回復など、さまざまだ。その中には、専門知識を必要とするものもある。例えば、退去後の原状回復は、修繕範囲や費用負担について、退去者とのトラブルにつながりやすい。そのため、契約段階において、国土交通省発行の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をもとに対策を講じておこう。

(1) 不動産会社などへの委託

賃貸物件を所有していると、入居者募集などで不動産会社と多く関わるようになる。そこで、入居者募集だけでなく、賃貸物件の管理も、不動産会社にまとめて委託してしまおうという事例が少なくない。この手法のメリットは、何と言ってもオーナーの負担が少ないことだ。家賃の数%を手数料として支払うが、管理項目をほぼすべて不動産会社に任せられる。ただ、多くの不動産会社は仲介がメインで、賃貸管理が主な業務になっていないことも多く、その対応力にはバラつきがある。管理について懸念があれば、迷わず不動産会社に伝えて、状況の改善を図ろう。もし改善できなければ、管理業務の委託先を他の不動産会社に変更するという選択肢もある。

(2)サブリース契約による賃貸管理

サブリース契約とは、「転貸借契約」のことであり、通常の賃貸借契約とは形態が異なる。賃貸借契約はオーナーである貸主と入居者である借り主の間で関係は完結する。一方、サブリース契約(転貸借契約)の場合、その間にサブリース会社が加わり、オーナーは貸主、サブリース会社は借り主、入居者は転借人という形式をとる。なお、サブリース契約でも、不動産会社による賃貸管理と同様に、オーナーは手数料を支払うことで、賃貸管理を委託することができる。

この形態におけるオーナーの最大のメリットは「家賃保証」だろう。不動産会社に委託できるのは家賃の収納代行のみで、仮に借り主が家賃を支払えなかった場合、オーナーは家賃を受け取れない。しかし、サブリース契約を結んでいると、入居者が家賃を滞納しても、借り主であるサブリース会社は、オーナーに家賃を支払わなければならない。つまり、家賃回収において、強力なリスクヘッジを得られるのだ。

(3)自主管理

最後は自主管理だ。賃貸管理の業務内容のうち、オーナーが自分自身でできる範囲の管理を行い、どうしても難しい項目だけを外注するという管理手法である。この管理手法のメリットはふたつある。ひとつは、オーナー自らが大切な資産に対して、繊細な賃貸管理が実施できる点。もうひとつは、外注を最小限にしているため、費用負担を最小化できる点だろう。しかし、自分自身で多くの管理業務を行うため、労働の負担が大きい。昼夜を問わず、入居者に対応する必要が発生するため、時間的にも、精神的にも負担が重くなるだろう。費用削減には大きな効果があるが、簡単に自主管理を選んでしまうと、結果的に管理が行き届かず、入居者の不満や空室を招いてしまう可能性もあるので、注意が必要だ。

管理手法の特徴を理解し自分に合った方法を

投資用不動産の物件価格も上昇しており、高い利回りが出ずに、キャッシュフローがマイナスとなってしまうケースも珍しくない。不動産経営の中で、賃貸管理は大きなウエートを占めている。その費用を削減させることで、収益性を向上させることは大切だ。しかし、だからといって、賃貸管理が行き届かなくなり、空室を発生させては本末転倒になる。上述した管理手法の特徴を理解して、自分に最も合った適切な賃貸管理を選ぶようにしよう。