不動産を売却する時、最近では無料の一括査定サイトを使うのが主流だ。しかし昨今ではその類のサイトは極めて沢山ある。売却が初めてな方にとっては、「どのサイトを使えばいいか分からない」などと別の悩みに直面することもあるだろう。そもそも査定の意味も分からず、無料で大丈夫なのかを悩む初心者もいるはずだ。そこで今回は、査定の基本と今すぐ使える一括サイト、有料査定との違いについて伝えることにする。ぜひ参考にしてほしい。

不動産の無料一括査定サイトの選び方

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(画像=PIXTA)

査定とは、簡単にいえば「自分の物件がいくらくらいで売れそうか」を、不動産会社というプロに判断してもらう行為だ。一般的な依頼でいうところの「見積もり」に相当する。不動産会社によって見積もり価格はバラバラなので、複数の業者に査定を依頼するのが基本だ。

しかし自分で不動産会社を探し、一社一社連絡するのは「極めて大きな手間」といえる。この手間を省けるのが一括査定サイトだ。わずかな情報を入力すれば、サイトの各登録業者が査定価格を教えてくれる。気に入った業者がいたのなら、そのままその業者と売却のための(媒介)契約をすると良いだろう。

一括サイトは一つではなく、極めて沢山ある。基本的にどれを使っても問題ないのだが、各サイトはいろいろな点で違うため、総じてどのサイトを使ったかで結果(売却金額や満足度)は変わってくる。まずはさまざまな一括サイトを見比べ、どんなサイトがあるか見てみると良いだろう。

次の章から、初心者でも知っておいてほしい最低限の選び方を伝えていく。

対応しているエリアや地域を確認

こちらは最低限チェックしておきたいポイントだ。一括サイトは、その全てが全国対応ではない。大都市に特化、東京都に特化したものも存在する。一括サイトの元になっているのは全国にある不動産会社なので、そもそも不動産会社の数が少ない地域・地方の場合は特に注意すべき点といえる。

一口に不動産といってもさまざまだ。土地もあれば建物もあるし、一戸建てもあれば分譲マンションもある。不動産なら何でもというサイトもあれば、特定の不動産に特化した一括サイトもあるわけだ。地域や内容が合っていなければ査定すらできないこともあるので、まずはしっかり確認してから利用しよう。

提携している不動産会社の確認

同じ一括サイトといっても、ものによって、登録している不動産業者や、その数が大幅に違っている。査定は、あくまで「そのサイトに登録している業者の範囲」でしかできない。沢山のサイトに登録している業者がいる一方、どこにも登録していない業者もいるので注意しよう。

初心者だと、たとえ大手であっても不動産会社の違いなど中々分からないだろう。大手なら大丈夫ともいえないので、尚更だ。もし業者の見極めに自信がないなら、なるべく「登録業者数の多いサイト」を使うのが無難かもしれない。少なくともしっかり登録業者に目を通し、信用できそうな会社があるかどうかを確認しよう。

明らかに高額な査定価格を出す業者は注意

査定は「見積もりのようなもの」と伝えたが、見積もりでも極端な低額を示す業者には不信感を持つものではないだろうか。査定でも近いものがあり、明らかに高額な査定価格を出す業者には注意が必要だ。まっとうではない可能性、余計な請求がくる可能性すらあるといえる。

初心者には、それが「明らかな高額」かどうか分からないこともある。他と比べてみないと分からないだろうし、だからこそ複数の会社の見積もりが重要といえるだろう。対策として自分でも相場価格を考え、場合によっては一括サイト自体を複数使って適正そうな価格を見極めよう。

不動産の無料一括査定サイト9選

「登録業者数」を基本に、今すぐ使える一括査定サイトをお伝えする。

・登録業者数1941社 アットホーム
登録業者数だけなら最多となる一括サイトだ。名前としても、誰もが一度は聞いたこともあるだろう。業者が多すぎるといえる部分もあるが、少ないよりは初心者におすすめだ。

・登録業者数1784社 ライフルホームズ
ここもトップクラスの登録業者数を誇るサイトになる。数が多いだけに、地域や不動産の種類を無視できる点が嬉しい。「プライスマップ」という地図で値段が分かるサービスも、初心者には分かりやすくて嬉しいものだろう。

・登録業者数1700社以上 イエイ
ここの登録業者数も、トップクラスだ。ここは「イエローカード制度」で悪質業者を排除し、「お断り代行」で初心者にも安心のサービスを提供している。断るのが苦手な人にはおすすめだ。

・登録業者数1600社以上 イエウール
ここも、十分にトップクラスの登録業者数を誇るサイトだ。「悪徳業者は排除」の姿勢を取っており、初心者にも安心できるサイトといえる。ぜひ一度、見てみよう。

・登録業者数1400社以上 リビンマッチ
少しすくない感じもあるかもしれないが、ここも十分な大手だ。過去には楽天リサーチによる「不動産価格の満足度」「利用したい不動産ポータルサイト」で1位も取っている。ギフトカードがもらえるキャンペーンがあるのも、何気に嬉しい要素だ。

・登録業者数1300社 ホームフォーユー
ここは登録業者数もさることながら、「不動産登録業者の質」を追求しているサイトだ。NTTデータグループが運営、日本初の不動産一括サイトでもあるなど、初心者にも安心の要素も多い。

・登録業者数1300社 スマイティ
ここは、有名な「カカクコム」が運営するサイトだ。サイト運営として、専門の不動産業者とはまた違った視点も期待できる。不動産業者が怖いと感じる初心者には、かえっておすすめかもしれない。

・登録業者数700社 リガイド
ここは、あえて登録時に独自審査をして不動産業者を厳選しているサイトだ。そのうえで最大10社に査定を依頼することができる。このくらい堅い方が、初心者には良いかもしれない。

・登録業者数400社 イエカレ
ここは、少し珍しい「物件の買取」を査定してくれるサイトだ。物件を登録業者が買い取ってくれるので、現金化までの速度が速い。早急に売却しなければならない事情があるなら、利用を検討してみると良いだろう。

不動産の査定価格の3つの算出方法

不動産会社も、けして適当に値段を決めているわけではない。「プロがどうやって査定価格を決めているのか」を知っておけば、あなたが売却する時に有利に働くこともあるだろう。次の章から、そんなプロの査定方法についてお伝えする。

取引事例比較法

一番分かりやすい方法だろう。査定物件と条件が似た取引事例を元に、値段を決める方法だ。売買時期や立地、広さや人気の変動などを元に値段を調整する。肝心の取引事例が少ない場合には利用しにくい方法だが、多くの人にとって納得しやすい値段の決め方といえるだろう。

原価法

簡単にいえば、「査定物件の再建築価格」を元に値段を決める方法だ。同じ物件を今もう一度建築し、経年劣化分を差し引いて査定価格とする。基本的に土地には使われない。比較的新しく、建築原価が簡単に分かるような時に使われる計算方法といえる。しかし初心者には分かりにくいかもしれない。

収益還元法

簡単にいえば、査定物件を「賃貸物件」とみなし、将来的な収益性を元に値段を決める方法だ。一応、収益還元法は「直接還元法」「DCF法」の2種類があるが、どちらもかなり計算が複雑になる。こんな計算方法もあるんだと知っておけば、初心者は十分だろう。

不動産の一括査定は有料もある

基本的に、不動産会社の査定は無料だ。これは一括サイトでも直接の取引でも変わらない。全ての査定が無料ではなく、有料を利用する場合には「相応の価値」があるからこそといえる。査定の違いをしっかり理解し、用途に応じて使い分けることが大切だ。

無料と有料の違い

簡単にいえば、有料の査定は「公的な証拠」になる。使いどきは「裁判または税金対策」だ。有料査定は不動産鑑定士が行える。通常の取引では不要だが、あれば「強力な裏付け」となるだろう。有料査定は、査定対象の「不動産の種類」と「評価額」で値段が変わる点に注意しよう。

有料査定 裁判や税金上の証拠になる。通常取引では不要。
無料査定 証拠にはならないが信用になる。通常取引でもあったほうが無難。

無料と有料はどちらがいいの?

通常の不動産売却においては、買主・売主の双方が納得さえできれば十分なので、基本的には無料査定で十分だ。有料査定は一般の感覚からすると高額で、最低でも20~40万円程度が必要になる。これだけの金額をかけてもすべきか否かで考えれば、おのずと答えはでるのではないだろうか。

不動産の無料一括査定サイトを利用する前に知っておきたいこと

不動産売却が初めての場合、どうしても「業界特有の常識や事情」が分からず困惑することも多い。余計な不満や損につながることもあるので、次の章から、初心者でも最低限知っておいてほしい点を伝えていく。

査定額は売却利益ではないこと

査定は査定、あくまで「予想見積もり価格」だ。不動産は「相手と個別にする取引」のうえ、相手は少しでも割安で買いたい心理もある。相手も納得できなければ買ってもらえないので、おのずと実際の売却価格は割安になりやすい。初心者は少し注意しておこう。

しつこい営業電話やメールが来る

必ず来るわけではないが、相応に営業電話やメールが来ることもある。業務の一環である不動産会社の査定が無料なのは、一種の「呼び水だから」で、売買の仲介をしてようやく利益になるのが不動産会社だ。初心者が相手なら、次の売買がないことも多いので、尚更といえる。この点は覚悟して査定サイトを利用しよう。

不動産査定で必要な書類を事前に用意しておく

基本的に必要になるのは、以下の書類だ。サイト利用時は、これらの情報を入力しよう。

・登記簿謄本
・購入時の売買契約書、重要事項説明書

その他、測量図や身分証明書を求められることもある。査定というのは、基本的に提供する情報が多いほどに正確で正しい金額を割り出せるので、なるべく業者に協力することをおすすめする。

不動産売却の流れ

不動産売却とは、おおむね以下の流れで進めることになる。

1:不動産業者を探し、査定を依頼する(自分でも相場価格を計算する)
2:業者と媒介契約を結び、不動産を売り出す
3:買主と売買契約を結び、不動産を引き渡す

初心者は、やはり「どの不動産業者と媒介(売買までのサポート)契約を結ぶか」が肝となるだろう。一括サイトも使いながら、存分に不動産業者を探すことをおすすめする。

まずは不動産の無料一括査定サイトを利用してみよう

初心者からすると、些細なコンタクトも怖いかもしれない。しかし怖がってばかりでは話が前に進まないし、延々と売却時期が遅くなる損につながる。少なくとも、一括査定サイトなら無料で利用できるのだし、不穏な空気を感じたら、それから引けばいい。まずは勇気を出して一括サイトを使ってみることをおすすめする。