シンカー:

・日銀:鈴木審議委員「強力な金融緩和を息長く継続していくことが重要。」

・ニューヨーク連銀:ウィリアムズ総裁「経済は個人消費以外の広い領域で、本格的に減速している。よって今後の成長のすべて、あるいはほとんどは今や、消費者の肩にのしかかっている。」

・サンフランシスコ連銀:ブラード総裁「今回の会合では0.5ポイントの変更についてしっかりと議論すべきだ。ここで実施した方が(9月と10月に0.25ポイントずつの変更よりも)良いように思う。」

・ECB:ラガルド次期総裁「インフレは低過ぎる状態が持続している。従って、長期にわたり極めて緩和的な政策が必要だとの政策委員会の見解に私は同意する。」「ECBの政策金利はまだ下限に達していない。」

SG証券・会田氏の分析
(画像=PIXTA)

日銀

●黒田総裁 (中立)

・フィンテック企業と銀行が一体となって「銀行家」としての役割を積極的に果たすことができれば、新たな成長の源泉生み出す。(9/4)
・金融サービス高度化・創造が経済成長つながるよう。(9/4)

●片岡審議委員(ハト)

・物価目標と実際の物価上昇率に相応の距離ある。(9/4)
・物価目標と関連付けたフォワードガイダンス修正も適当。(9/4)
・日銀の目標実現に対する信認、十分に強まっていない。(9/4)
・消費税率引き上げの影響含め消費の先行きに注意必要。(9/4)

●鈴木審議委員(中立-タカ)

・強力な金融緩和を息長く継続していくことが重要。(8/29)
・海外経済、総じて緩やかに成長していく。(8/29)
・国内経済は基調として緩やかに拡大。(8/29)
・追加的な国債金利低下による金融緩和効果は限定的な可能性。(8/29)

日銀
(画像=ソシエテ・ジェネラル証券)

FRB

●ウィリアムズ(ニューヨーク・中立)

・経済は個人消費以外の広い領域で、本格的に減速している。よって今後の成長のすべて、あるいはほとんどは今や、消費者の肩にのしかかっている。(9/5)
・最近個人消費がトレンドを上回るペースで伸びたが、それが将来に向けて本当に続くとは思わない。(9/5)
・世界的な成長減速とその継続、地政学的ないしその他の不確実性が依然として重要な要素だと考える。(9/5)

●ブラード(セントルイス・ハト)

・今回の会合では0.5ポイントの変更についてしっかりと議論すべきだ。ここで実施した方が(9月と10月に0.25ポイントずつの変更よりも)良いように思う。(9/4)
・この状況では私は市場のシグナルを尊重する。(9/4)

●カプラン(ダラス・ハト)

・個人消費の軟化待っていれば、手遅れになる可能性も。
・金融政策はなお非常に強力な手段。見通しへのリスクは下方向。

●ローゼングレン(ボストン・中立-タカ)

・リスクが鮮明になり、米経済見通しを脅かす場合は追加緩和が適切になる可能性がある。(9/4)
・合意なき英離脱は短期的にかなりの混乱の恐れがある。(9/4)
・個人消費継続なら米経済の2%前後の成長を予想する。(9/4)

FRB
(画像=ソシエテ・ジェネラル証券)

ECB

●ラガルド(次期ECB総裁)(中立)

・インフレは低過ぎる状態が持続している。従って、長期にわたり極めて緩和的な政策が必要だとの政策委員会の見解に私は同意する。(9/5)
・ECBの現在の政策を必要にしている課題は消え去っていない。(9/5)
・(マイナス金利について)引き続きプラスだが、副作用の影響についても 配りし、人々の懸念を真剣に受け止める必要がある。(9/5)
・ECBの政策金利はまだ下限に達していない。(8/30)
・ECBには景気の下降局面に対応するための手段が備わっており、必要に応じて活用する準備を整えるべきだ。(8/30)

●ノット(オランダ・中立‐タカ)

・市場の期待は行き過ぎている。(8/30)

●ホルツマン(オーストリア・中立‐タカ)

・マネーサプライ(通貨供給量)のさらなる拡大や預金金利の引き下げについて私は懐疑的だ。(9/2)
・金融緩和にメリットはあるが、限界もある。長期間続けばなおさらそうだ。(9/2)

●ミュラー(エストニア・中立‐タカ)

・(ECBによる)量的緩和再開の強い論拠が今あるとは思わない。(9/4)
・デフレリスクがない中で不釣り合いになる。それが効果的かどうかという懸念もあるだろう。あまり多くの効果を生むものとはならないかもしれない。(9/4)

ECB
(画像=ソシエテ・ジェネラル証券)

ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司