区分所有マンションや1棟マンション、アパートなどを買って賃貸で運用する不動産投資は、不動産投資用ローンを利用できることが大きなメリットです。それによって自己資金が少なくても、その数倍の金額の投資ができます。しかも、賃料収入でローン返済の大部分をカバーできるので、ほとんど持ち出しなしで投資用不動産を手に入れることができるわけです。

ローンには変動金利型と固定金利型がある

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(画像=one photo/Shutterstock.com)

不動産投資用ローンの金利タイプには、変動金利型と固定金利型があります。金融機関によっては変動金利型しか扱っていないケースもありますが、多くの金融機関では変動金利型と固定金利型を選択できます。

一般的に変動金利型のほうが金利は低いですが、借入後に金利が上昇すると返済額が増えてしまいます。固定金利型は、固定期間の短いタイプは変動金利型並みですが、固定期間が長くなると金利が高くなります。しかし、その分長期間金利が固定されるので、金利上昇リスクをヘッジでき安心です。

金利の低さと安心、どちらを重視するかで選ぶ金利タイプが決まります。よく検討して選ぶようにしましょう。

変動金利型は金利が上がると返済額が増える

変動金利型では、借入後に市中の金利が変われば、ローンの適用金利が見直され、それに合わせて返済額も変更されます。しかし、あまり頻繁に返済額が変わると利用者が戸惑ってしまうので、金利の見直しは半年に1回ですが、返済額は5年に1回見直されることになっています。

次回返済額が見直されるまでの期間は、毎月の返済額のうち元金分と利息分を増減することで対応します。金利が上がれば、返済額に占める元金分が減って利息分の割合が高くなり、金利が下がれば、利息分が減って元金分が増えます。つまり、金利が上がると当初より元金の減り方が遅くなり、金利が下がると元金の減り方が早くなるわけです。

返済額増加率は25%まで

金利が上がって5年後に返済額が増える場合でも、増額率は25%以内に抑えられることになっています。たとえば、毎月の返済額が10万円なら12万5,000円以上にはなりません。しかし、最悪の場合は5年後に返済額がさらに25%増えることもあるわけです。

したがって、変動金利型を利用する際は、将来金利が上がって返済額が増えても、十分返済していけるようなゆとりある資金計画を立てることが大切です。

2年、5年、10年などの特約期間中は金利が固定

固定金利型は、2年、3年、5年、7年、10年など特約期間中は金利が固定されます。ですから、その間に市中の金利が変わっても、変動金利型のように適用金利が見直されることはありません。当然、返済額も固定されます。

固定期間が終了すると、その時点の条件で再び固定金利型にするか、変動金利型に切り換えるかを選択することになります。前述のとおり、固定期間が短いほど金利が低く、固定期間が長くなると金利がやや高くなります。

金利上昇に耐えられるゆとりある資金計画を

居住用の住宅ローンには、完済まで金利が変わらない全期間固定金利型がありますが、不動産投資用ローンで全期間固定金利型を提供している金融機関はほとんどありません。

つまり、不動産投資用ローンを利用する場合は、変動金利型と固定金利型のどちらを選んだとしても、借入後に金利が上がれば返済額が増える可能性があるということです。不動産投資家は、このことを頭に入れておかなければなりません。

多少返済額が増えても、無理なく返済していけるようなゆとりある資金計画を立てて、着実に資産を形成していただきたいものです。(提供:YANUSY

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