営業にはハガキや一筆箋を活用しよう
メールやSNSなど便利なデジタルツールが発達している昨今、手書きでハガキや手紙を書く機会が少なくなったという人は多いかもしれない。そんな今だからこそ、手書きは人の心に残る。手書きのハガキを営業に役立てる方法を教えるむらかみかずこ氏に、一筆添えて相手の心をつかむ手書きの活用法についてうかがった。(取材・構成=内埜さくら)
手書きのハガキ1枚で丁寧な人と思われる!
ハガキや一筆箋を使った手書きのひと言が、お客様の心をつかむビジネスツールとしてその価値を高めています。
SNSの発達により人と人とのつながりが希薄になり得る今後、手書きのひと言は企業とお客様との信頼関係を築く最強のコミュニケーションツールになると言って過言ではありません。
手書き文字には温かみがあります。ほんの数日前に受け取ったメールマガジンやチャットの内容は思い出せなくても、それが手書きの手紙であれば数か月前の一通でも記憶に残っているものです。また、文字を手書きするには手間暇がかかるため、お客様に「自分のことを大切に、丁寧に扱ってくれた」「気が利く人だ」「できた会社だ」という印象を残せます。
とはいえ、手書きしましょうというと「手間がかかる」「文章を考えるのが苦手」「面倒」「字が下手」など悩みは尽きないもの。私は、なかなか継続しがたい手書き術(ハガキや一筆箋を使った手書きのひと言)を今すぐ誰でも実践可能なコンテンツにまとめ、企業研修等でお伝えしています。
企業からの依頼は年々増加しており、中でも相性がよいのが生命保険、住宅販売、自動車販売などの高額商品、さらには美容、衣料品販売、通信販売、冠婚葬祭業など。研修終了後、約半年から1年で流出客が約30~50%減ったといった声が続々と届いています。
手書きといっても、長文を書く必要はありません。ほんの数行でいいのです。長文の手紙は逆に重く感じられ、受け取り手にプレッシャーを与えるからです。その意味でもハガキや一筆箋が適しています。
ここで注意すべきなのは、「売り込みの言葉(商品のPRなど)を書かない」ということ。書いてしまうと営業目的と思われてしまい、逆効果です。デジタルツールが伝えるのが「情報」ならば、ハガキで伝えることができるのは「気持ち」です。気持ちを伝える手段だからこそ、セールスの言葉は不要なのです。