家族から受け継いだ土地や購入した土地は大切な資産だが、土地はただ所有していても利益を生むことはない。そのため土地を所有していただけでは固定資産税など税金がかかってしまうので有用な土地活用を行う必要がある。

しかし一口に土地活用といえども、さまざま々な方法があったりリスクがあったりするため土地利用を行ったことがない人からすると厳しいと感じる方もいるのではないだろうか。今回は土地活用の代表的な5つの方法や心構えを解説するので、自身が所有する土地活用の参考にしてほしい。

土地活用とは?

土地活用,とは,代表的な5つの活用方法や始める前の心構えも解説
(画像=Sergey Nivens / Shutterstock.com)

「そもそも土地活用とは何か?」と問われた際にしっかり答えることができるだろうか。土地活用とは土地を活用することで新たな価値を生み出して利益をあげていくことを指す。

土地を放っておいた場合だと価値を生みださないが、自身で土地活用した場合は金銭の利益が生まれなかったとしても利益が生まれたといえる。土地活用の方法に3つの種類があり以下になる。

・自分で使用する
・プロに任せる
・貸す、売る

さきほど自分で使用した場合は価値を生むと上述したが、「プロに任せる」や「貸す、売る」といった場合は金銭的な利益に直結してくる。そもそも土地を保有していると維持管理費や固定資産税、相続税といった費用が大きくのしかかってきてしまう。

従ってただ土地を保有しているだけだと出費だけかさんでしまうので、土地利用をおこなって金銭的利益を得ることは非常に意義があるのだ。

土地活用にはどんな方法があるの?

土地利用がどのようなものか確認したところで「土地利用にはどんな方法があるのか」みていく。各方法で意味合いやメリット、デメリットが異なってくるのでそれぞれ確認していこう。

自分で使用する

最初に紹介するのが「自分で使用する」方法だ。自分で使用するといってもさまざまだが、居住用の家を建てたり、別荘を建てたりといったところだ。

また少し意味合いが異なってくるが自身の太陽光発電のために使用したり、Youtuberとしての撮影場所としたりもできる。確かに金銭的な利益は生まないものの、自身の目的のために使用される土地となってくることから放置していた土地よりも価値を生んでいるといえるだろう。

プロに任せる

2つ目に紹介するのは「プロに任せる」ということだ。土地活用を行うというと、ただ単に土地を売買するだけかのように思うが、実際の土地売買や土地の運用となっていくと投資や資産運用の知識が必要だ。

後述するが土地活用を本格的に行うとなるとリスクもついてまわるため、「知識がない」や「今まで資産運用を行ったことがない」場合は「プロに任せる」ということも1つの手段として検討することがおすすめだ。

プロであれば節税の知識やどのように土地活用をするかを熟知しているため、リスクを軽減可能だ。しかしプロを自称している詐欺師が紛れ込んでいる場合もあるため、信頼できる業者なのかどうかは確認しておきたい。

貸す・売る

最後に紹介するのが「貸す・売る」という土地活用の方法だ。土地を貸すという場合は継続的な収入を見込むことができるため、企業や家族連れといった長年契約してくれる契約者が見つかった場合はメリットが大きい。

土地を売る場合は、自分が取得した土地単価もしくは自分以外の関係者が取得した土地単価よりも大きな価格で売らなければ利益がでない。しかし不動産売買に長けていない限りは相場よりも安い価格で仕入れるのは難しく、また高値で売るの非常に難易度が高くなってくる。

土地単価よりも安い価格で売却することになっても、最初のうちは「損切」と考えて今後の不動産売買に生かすことも重要だ。

土地活用のメリットって何?

これまで土地活用にどのような種類があるのか見てきたが、今度は土地活用におけるメリットがどのようなものか見ていく。手段にもよるが土地活用におけるメリットをしっかり把握しておけば、土地を放置しておこうという考えは起こらないはずだ。

税金対策になる

土地活用の大きなメリットとして、最初に挙げられるのは「税金対策になる」ということだ。土地活用を行わないと土地を所有しているだけで、さまざまな税金がかかってしまい維持するのは大変だが、逆に土地活用を行うと税金面での優遇措置を受けることができる。住宅を目的とした土地活用であれば「固定資産税」と「都市計画税」の優遇を受けることができ、土地を売却した場合でも特別控除といった形で節税できるのだ。

節税と聞くと、一般の方のイメージではそこまで大きな変化がないように思うかもしれないが、土地売却の控除にいたっては数百万円以上の特別控除を受けることが可能だ。また「固定資産税」や「都市計画税」の控除にいたっても、通常土地を放置していた場合には最大でかかっていた税金が減税されるのでお得になるといえる。

安定した不労所得が受け取れる

土地活用の「貸す」場合のメリットになるが、不動産収入として毎月安定的な収益を見込むことができる点だ。しかも企業が土地を借りる場合は、数十年規模での収入が確約されるようなもので非常においしい話といえる。

アパートやマンションの場合は自分で管理するのか委託管理するのかで、自分が支出する金額が異なってくるが、不労所得を目指しているのであれば委託管理を選択しよう。

地域に貢献できる

自身へのメリットとは言い難いが「地域に貢献できる」というのも土地活用の魅力だ。例えば土地活用を行った結果、自身が所有する土地にスーパーが建ったとしたら地域に貢献しているといえるだろう。居住してくる人や企業誘致ができれば、その地域の納税額は上がるのでこちらも地域に貢献しているといえる。

土地活用にはリスクも存在する

土地活用のメリットが分かったところで、今度は土地活用のデメリットである土地活用のリスクを見ていく。土地は簡単に購入できるの金額ではないため、良くも悪くも動く金額が大きいのが特徴だ。

空室リスク

賃貸経営の一番のデメリットといえる「空室リスク」は立地や人通り、その地域の需要といった細かな部分まで考えないと回避が難しい問題だ。しかも業者に任せた結果、最初は空室でなかったのに自分が購入したら空室になったという悪質なケースもあるから注意が必要だ。

入居者リスク

次に挙げられるのが「入居者リスク」だ。これは入居者とトラブルになることによって金銭面や精神面での負担がかかってしまうケースだ。土地活用を委託すれば問題はないのだが、自分で行うとなると入居者とのトラブルは覚悟しておいたほうがいいだろう。

市場変動リスク

最後に解説するのが「市場変動リスク」だ。市場変動リスクとは土地の価格が市場変動によって大きく変化することで、売買の値段や貸す際の値段が変わってくるということだ。こちらに対処するには土地活用のみを行うのではなく、他の資産運用を行うことでリスクヘッジ可能だ。

代表的な5つの土地活用方法

土地活用の代表的なものを5つ見ていくことで土地活用にはどのようなものがあるのか確認していこう。

マンション

土地活用のもっともオーソドックスなものがマンションを用いた土地活用だ。投資用マンションや賃貸マンションに大別され、投資用マンションだと地域に対する需要などの目利きがより一層必要になり、賃貸マンション経営だと比較的安定した収入を見込むことができる。

戸建て

戸建ての場合はマンションほどの競合がなく土地が狭くても対応可能なのがメリットだ。また税制面での優遇を受けることもできる。

駐車場

人通りは気にしたほうがいいものの、マンションや戸建てよりも全体的に経営ハードルが下がるのが駐車場を用いた土地活用だ。特に東京都心部で余った土地を駐車場にすれば、いくらかは利益の算段がつくところが多い。しかし、地方になると話は変わってくるので、都心なのか地方なのかによって駐車場にするかは気をつけたい。

コインランドリー

戸建てと同じく狭い場所でも経営が可能なのがコインランドリーだ。固定客ができれば大きな収益へとつなげることもできるが、初期費用が他の土地活用よりも大きくなってしまうのが難点だ。

トランクルーム

最近ではトランクルームに大型の荷物を置くことで、引っ越しの際の負担軽減をする人や必要最低限のものしか保持しないミニマリストが増えてきた結果、トランクルームの需要が伸びている。立地を気にすることがないのが最大のメリットとなっており、都心であれば初心者におすすめの土地活用方法だ。

土地活用を始める前に知っておくべき3つのこと

土地活用の前に知っておくべきことをここでは解説する。一口に活用といえどもお金儲けするだけを考えないことが重要だ。

次世代に通用する使い方をすること

まずは自分の世代だけで土地を使い切ろうと思わないことが重要だ。土地は価格が変動することがあり、簡単に売買できるものではないため、次世代に託す土地活用も重要になる。

入念な計画を立てる

前述したが土地活用はそこまで簡単に売買できる代物ではない。従って間違いのないよう入念な準備が必要だ。

安心できるパートナーを選ぶ

他の資産運用と比べて、土地活用で一番気にしたほうがいいのが「安心できるパートナーを選ぶ」ということだ。詐欺に遭ってしまったら1度で数十万円以上の被害に遭ってしまう可能性も高いため、自分が長く付き合っていく人が本当に心配いらない人なのかを見極めることが重要だ。

土地活用をすれば大切な資産になる!

今回は土地活用の代表的な5つの方法や心構えを解説してきた。土地活用の代表的な手段やどのように土地活用を行ったらいいのかが分かったと思う。なかでも重要なのは土地を放置しないことだ。土地を放置してしまっていると維持管理費や税金ばかりがかかる「負債」となってしまうので、早めの土地活用を視野に行動していこう。