7月下旬からスタートした3月決算銘柄の第1四半期決算も先月中旬で終了となりました。したがって8月に入って決算を発表した銘柄でもアナリストによる業績や目標株価の見直しが一通り終わったと思われます。そこで今回は8月2日に決算を発表したTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に決算発表後に2社以上が目標株価を引き上げたもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。
そのなかで決算発表後に3社が目標株価を引き上げたのがNTTデータ(9613)で、第1四半期の営業利益が小幅ながら増益を確保したこともあって目標株価を引き上げる動きがみられました。また、第1四半期の営業利益が二桁の増益となったアズビル(6845)や全国保証(7164)、伊藤忠商事(8001)でも決算発表後に2社が目標株価を引き上げています。
決算メモ
●東京ドーム(9681)‐上期は期初計画を上振れ‐
東京ドームが11日に発表した2020年1月期の上期決算は売上高が前年同期比8.5%増の454億円、営業利益が同6.3%増の63億円となりました。売上高はMLB開幕戦やプロ野球オールスター戦が開催されたことに加えて、東京ドームのコンサートイベントにおける物販が好調だったこと、さらに毎年各地の競輪場で順番に実施される日本選手権競輪がグループの松戸競輪場で開催されたこともあって全部門が増収となりました。
また、営業利益は熱海での新リゾート施設開業による諸経費の増加があったものの増収効果で吸収し増益を確保しています。この結果、上期は売上高が13億円近く、営業利益が7億円ほど期初計画を上回って着地しています。そしてこうした上期実績を受けて東京ドームでは8月29日に通期の業績予想を売上高で890億円から前期比3.6%増の902億円に、営業利益で115億円から同6.3%増の122億円に上方修正しています。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト
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