スマートデイズ社による女性専用シェアハウス事業が破綻し、管理会社からオーナーへの賃料が未払いとなった「かぼちゃの馬車事件」、これに伴い発覚した「スルガ銀行不正融資事件」、施工不良問題が明らかになった「レオパレス建築基準法違反事件」……2018年は不動産投資を取り巻く「不祥事」が相次いだ1年だった。だが、不祥事という出来事を生かすも殺すも自分次第だ。
これまで不動産投資の情報サイトや、不動産投資家とエージェントのマッチングサービスを立ち上げた経験があり、不動産業界の隅々までを見聞きしてきた八木チエさんは、ニュースをただ見るだけではなく、自分の「教訓」にすることが大切だと語る。不動産関係の不祥事から、私たちが学ぶべき教訓とは?(取材・池田園子/写真・森口新太郎)
▼八木さんインタビュー、前回の記事はこちら
・生かすも殺すも自分次第 不動産を取り巻く不祥事から私たちが学ぶべき教訓【特集#15】
不動産投資は長期戦だから「好き」じゃないと続かない
──2018年は不動産を取り巻く不祥事が相次いだ年でした。不祥事がここまで立て続けに明らかになると、不動産投資に不信感を抱く人もいそうですね。
どこの業界にも不祥事はあります。私は不祥事が起きたことで業界がクリアになったと考えています。不祥事の影響を受けて倒産する会社は多いです。一通りいろいろなことがあったこのタイミングで残っている会社はむしろ、信頼できると言うこともできるのではないでしょうか。
一方、不祥事の内容ばかりに目がいって、「(不動産投資が)信頼できない」「怪しい」と思う人もいるようです。ネガティブな報道があるからといって、ただやみくもに避けるよりも、何が原因でどんな不祥事につながったのか、その事件は自分にとってどんな教訓になったか、これから不動産投資をするなら何に注意しないといけないのかなど、考えて勉強することが大事だと思います。
起きたことから学びを得ると、同じ失敗を繰り返さないでいられますから。
不動産オーナーとして毎月の入金はチェックすべし
──例えば、直近で起きた不祥事からどのようなことを私たちは学べるでしょうか?