2018年時点で、すでに2兆円規模目前となっている日本国内のポイントサービス市場。ハウスポイントの広がりやマルチポイント化の進展で、今後も拡大基調が続く見通しです。今回はポイントサービス市場で起きていることについて詳しく解説します。
日本国内のポイントサービス市場規模
2019年7月に市場調査会社の矢野経済研究所が行った調査によると、2018年度の国内ポイントサービス市場の規模はポイント発行額ベースで約1兆8,930億円でした。同研究所は2020年度に市場規模が2兆円、2023年度は2兆4,000億円を超えると予測しており、毎年5%前後の市場規模の拡大が見込まれるとのことです。
市場規模の拡大の要因として挙げられているのが、ハウスポイントの広がりやマルチポイント化の進展、そしてハウスポイントと共通ポイントを併用可能とする店舗の登場です。それぞれについて詳しく解説していきます。
拡大の要因①ハウスポイントの広がり
ハウスポイントとは一般的に発行した店舗やブランドだけで利用可能なポイントのことを呼びます。ハウスポイントを導入すると店舗側が独自にポイントシステムを展開する形となるため、顧客データを自ら保有することができ、販促活動などに顧客データを利用することが可能です。ハウスポイントを発行すると店舗やブランドに対する顧客のロイヤリティを高めることにもつながります。こうした背景からハウスポイントを導入する店舗やブランドが増えています。
拡大の要因②共通ポイントのマルチポイント化の進展
矢野経済研究所は今後マルチポイント化が進むことも予測しています。これまでは基本的に、一つの店舗ではあらかじめ導入されている一つの共通ポイントしか貯めたり使ったりすることができませんでした。しかしその店舗がマルチポイント化されると複数の共通ポイントに対応することになります。その結果、さまざまなポイントユーザーがその店舗を訪れることが期待でき、集客力を高めることにつながるのです。
すでにファミリーマートが2019年11月から共通ポイントのマルチポイント化を実施することを発表しています。これまで利用できた「Tポイント」に加えて、「dポイント」と「楽天ポイントカード」も選択できるようになるとのことです。大手コンビニだけではなく、大手レストランチェーンでもマルチポイント化を進める動きがあります。そのため今後さまざまな業種でマルチポイント化が進む可能性はおおいにあるでしょう。
拡大の要因③ハウスポイントと共通ポイントの併用
ハウスポイントと共通ポイントを併用して導入する店舗も今後増加していくことが見込まれています。ドラッグストアや大手書店などでいち早く導入が進んでいる傾向です。共通ポイントのマルチポイント化とは異なり、両方のポイントを貯めることができることが特徴になります。買い物客にとってのお得感は大きく両ポイントの併用によってより多くの来店客を見込めるでしょう。
例えばドラッグストア大手のマツモトキヨシでは、同社が独自に発行するマツキヨポイントとdポイントを買い物時に同時に獲得することができます。ツルハドラッグも同様の仕組みを導入し、丸善・ジュンク堂書店のサービス実施店舗でも、2種類のポイントを一度に貯めることが可能です。
ハウスポイントと共通ポイントも交換可能に!?
矢野経済研究所はレポートの中で、「ハウスポイント発行事業者が、自社の独自ポイントを共通ポイントと交換できるようにするなどして、ポイント交換先を拡充していくことも考えられる」と指摘しています。このような仕組みが導入されれば、よりハウスポイントと共通ポイントの利用者が増え、市場規模も一層拡大していくことが予想されます。右肩上がりのポイントサービス市場の今後に引き続き注目です。(提供:JPRIME)
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