(本記事は、米山公啓氏の著書『できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」』ぱる出版、2017年6月8日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

価値
(画像=Alexander Supertramp/Shutterstock.com)

経験と人脈は情報源

何度も言うことになるが、経験と人脈は実に価値の高いものであり、とても重要なものである。情報もまた同じであり、自分の経験したことは事細やかに話すことができ、また、そこで感じたものも人それぞれ違うので、同じような話であっても、そこからまた話を膨らませたり違いを楽しんだりすることができる。

ディズニーランドにクラブ33という、園内マップには載っていない場所があるのは有名な話である。これはコネクションがなければ入ることができないのだが、そこに何度か行ったことがある。

まずは病院関係で行き、それからしばらくして、また行きたくなってしまった。さて、どうやって行こうかと考えた。当時、ホリプロに所属していたのだが、マネージャーに頼んだ。それが最も可能性が高い方法だと感じたからだ。

すると、マネージャーは広告代理店の知人を経由して紹介してくれて、無事にクラブ33を楽しむことができた。マネージャーにも広告代理店の人にも感謝である。

私は何もしていないではないかとも感じるだろうが、重要なのは「どうやって手に入れるのか」と考えて行動することだ。すでに手段を模索することから経験は始まっている。一見、誰もが難しいと思うことでも手に入れることができれば、ときには手に入れられないこともあるだろうが、それだけで話題性を手に入れることができるのだ。

これは、ほんの少しの努力である。他人が諦めてしまうことに対して、どういった努力をしていくのか。そこに努力ができるのか。

もし、どのように努力をすればいいのかわからないのであれば、とにかく楽しむことである。映画や小説でも、なかなか手に入らないものを様々な方法を試していき、最終的に手に入れる。手に入れたときの達成感に満足する人もいるだろうが、試行錯誤の過程を繰り返しているのを楽しんでいるのだ。

多少、過剰な表現はしつつも、そこに共感や冒険心、脳内でいえばアドレナリンが出ている状態が快感であるのだから、現実でも同じことをすればいいだけのこと。

最近、私がした経験はフェラーリを購入したことだ。受注生産のため制作中であるのだが、その過程をわざわざ連絡してきてくれる。どのように作られていくのかを知るのと同時に、完成して手元に届くまでの期待感がとどまることを知らない。すでに、そのために駐車場も作っており、いつでも乗る準備は万端である。

興味があることは感情が動きやすく、そのためにこの経験は忘れることができないだろう。もちろん言葉に説得力を持たせることもできる。だからこそ、経験は重要な情報源となるのだ。

先のクラブ33の話にも通ずるが、人脈についても貴重な情報源となる。例ではマネージャーが人脈を駆使してセッティングしてくれたわけなのだが、マネージャーがそのような経験や情報を知っていたからこそ実現したのである。

また、電柱を建てた友人の話もだが、彼にステレオや音についての情報を聞き出せば、様々なことを教えてくれるに違いないと想像するのは難くないだろう。

経験をするには時間も費用もかかる。だからこそ、自分が何をやるのかは大切でありながらも、自分で手に入れられない経験や情報は人脈を使えば簡単なことだ。

できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」
米山公啓(よねやま・きみひろ)
1952年山梨県生まれ。作家、医学博士。専門は神経内科。聖マリアンナ大学第2内科助教授を98年2月に退職。診療を続けながら医療エッセイ、医療実用書、医学ミステリーなど幅広く著作活動や講演を行っている。現在までに280冊以上を上梓。主な著書に、『もの忘れを90%防ぐ法』(三笠書房)、『脳が若返る30の方法』(中経出版)、『Dr.米山公啓の頭が良くなる生活習慣』(アントレックス)『できる人の脳が冴える30の習慣』(中経出版)など多数ある。

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