(本記事は、米山公啓氏の著書『できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」』ぱる出版、2017年6月8日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」
(画像=『できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」』※クリックするとAmazonに飛びます)

10分前行動の「本当の意味」

「10分前行動を心がけましょう。」「5分前行動が基本だ。」

そんなことを学校やら家庭やら、もしくは会社に入社してから言われたことはあるのではないだろうか。

では、そもそもなんのために、そのように時間に余裕をもって行動をするのか。

意見は様々だが、アポイントメントを取って会社を訪ねるのであれば、約束の時間ちょうどにインターホンを鳴らすのがベターだ。少し早いと相手が慌ててしまう可能性もあり、逆に遅れてしまうと心配をかけたり時間を奪ったりすることになる。だからこそ5分早く、10分早く行動するのは、そのジャストの時間にできるようにするためだ。

では、10分早く到着するように向かおうと思ったら、予定よりも10分早く出発すればいいだろうと計算できるだろうが、本当にそれでいいのだろうか。もしかすると電車が事故で止まってしまう、迷子になってしまう、道を歩いていたらおばあさんに話しかけられて丁寧に対応をしなければならないかもしれない。

そうすると、10分早く出発したのにも関わらず遅刻してしまうだろう。たしかに、遅刻の内容として許容できることも多くあるが、遅刻してしまった事実に関していえば、どう言い繕うとも変えることはできない真実である。

つまり、10分前行動などというのは先に動いて余裕を持たせるという、ある種のリスク管理と言える。どんなことがあったとしても、時間ちょうどに到着できるくらいの余裕を持って動くこと。その余裕があることこそ、誠意と言い換えることができる。

私の知っている有名人たちも、やはり時間は守っていた。それこそ、売れている人ほど余裕をもって行動しており、だからこそ売れているのだと実感することもできた。

また、この余裕を持つためには、自分の能力をしっかりと把握している必要もあるだろう。

仕事関係の遅刻でよく聞くのが、「前の仕事が押しまして」という言葉。もちろん、相手にもいろいろ事情があるのは承知だが、それが作業であった場合、自分の能力が分からずにいるから時間配分を間違えてしまったのではないだろうか。

できる人なら1時間かかり、しかし自分の場合は不慣れのために2時間かかってしまう。

しかし、自分をできると思っているから1時間で見積もっていたがために慌てることとなり、遅刻することになり、相手の時間を奪ってしまったと…。仕事が押してしまうのであれば、自分が持っている仕事量を減らしたり、できる人に頼んだりなどと、自分の能力を把握していればできる対応はあるはずだ。

よって、約束に余裕を持てずに行動できないというのは、自己分析ができていませんと、遠回しに言っているようなものだとも受け止められる。

できる人は、しっかりと自己分析をし、自分の能力を把握し、リスク管理ができている。10分前行動ということだけで、これだけのことが見えてきてしまうのだから、約束を守るのは当然のことながら、余裕をもって行動できるように、今から努力しよう。

できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」
米山公啓(よねやま・きみひろ)
1952年山梨県生まれ。作家、医学博士。専門は神経内科。聖マリアンナ大学第2内科助教授を98年2月に退職。診療を続けながら医療エッセイ、医療実用書、医学ミステリーなど幅広く著作活動や講演を行っている。現在までに280冊以上を上梓。主な著書に、『もの忘れを90%防ぐ法』(三笠書房)、『脳が若返る30の方法』(中経出版)、『Dr.米山公啓の頭が良くなる生活習慣』(アントレックス)『できる人の脳が冴える30の習慣』(中経出版)など多数ある。

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