日報自体を廃止しよう!
かつて吉田幸弘氏が在籍した会社では、記入項目の多い日報があり、多いときには毎日30分以上も時間をかけていた。日報の記入項目には、会社名・住所・担当者名・ニーズ・話した内容・見込みランクの他に、従業員数、売上高などの記入欄もあった。吉田氏は上司に「正直、この項目は必要ないと思いますけど」と何度か言ったが、「ごめんね。これはルールだから」と、跳ね返されてしまったという。
※本稿は、吉田幸弘著『リーダーの「やってはいけない」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
お客様の満足につながらない仕事はするべきでない
そもそも、人は「将来使うかも」「こうなっていると便利かも」「念のため入れておこう」という「今、必要でないこと」をたくさん行ってしまっています。
この日報のケースでいえば、「将来、従業員数100名以上の会社に絞って、営業をかけるかもしれない」という理由で、どんな会社でも従業員数を調べて記入していました。
しかし、よく考えてみれば、従業員数や売上高は時が経つにつれて変わっていきます。よって、日報に記入された従業員数などは、何の意味もなさない形骸化したデータです。何よりこのような情報は、必要になったときに調べたほうが早いのではないでしょうか。
とはいえ、私はここで「日報の記入項目を減らせ」と言いたいわけではありません。
実は、このようなシチュエーションのとき、できないリーダーほど「じゃあ、この項目は残して、この項目は減らして……」と、考えてしまいます。
本当にできるリーダーは、ここで「そもそも日報って必要か?」と考えます。つまり、続ける前提で考えるのではなく、やらないという選択肢も含めて、検討・判断するのです。
仕事の目的は、結果を出すことです。よって、結果につながらない、お客様の満足につながらない仕事は、本来すべきではありません。