【目次】
①ランサーズIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/4更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【11/29更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- ランサーズ株式会社
- コード
- 4484
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長CEO 秋好陽介 /1981年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区渋谷3-10-13
- 設立年
- 2008年
- 社員数
- 106人(2019年10月31日現在)
- 事業内容
- フリーランスと企業を仕事領域でマッチングさせるプラットフォーム事業の運営
- URL
- https://www.lancers.co.jp/
- 資本金
- 1,138,125,000円 (2019年11月13日現在)
- 上場時発行済み株数
- 15,505,100株
- 公開株数
- 2,608,700株
- 連結会社
- 2社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/11/27→660~730円に決定
- ブックビルディング期間:2019/11/29 - 12/05
- 公開価格決定:2019/12/06→730円に決定
- 申込期間:2019/12/09 - 12/12
- 上場日:2019/12/16→初値842円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 大株主
- 秋好陽介 56.79%
- グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合 8.97%
- KDDI(株) 5.41%
- Globis Fund Ⅳ, L.P. 5.24%
- パーソルホールディングス(株) 4.90%
- GMO VenturePartners3投資事業有限責任組合 2.78%
- (株)新生銀行 2.10%
- AT-I投資事業有限責任組合 1.08%
- 山田勝 0.88%
- パーソルキャリア(株) 0.86%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
1,859,269 -227,292 -230,467 344,871 - 2018/03 連結実績
1,910,656 -351,693 -354,393 1,010,936 - 2019/03 連結実績
2,522,476 -93,681 -17,629 993,331 - 2019/09 第2四半期連結実績
1,547,954 -218,062 -225,936 767,397 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後180日目の2020年6月12日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 19億435万1000円(2,608,700株×730円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 1,391,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- ランサーズはフリーランス向けの仕事マッチングサービスである、クラウドソーシングサイト「Lancers」を運営する企業である。クラウドソーシングサイトとしてはクラウドワークス<3900>と並ぶ業界大手企業である。
■事業内容詳細
同社はフリーランス向け仕事マッチングサービスである、クラウドソーシングサイト「Lancers」を運営している。
同社はクライアントによる仕事の依頼の違いにより、①オンラインスタッフィングプラットフォーム領域、②クラウドソーシング領域の2つのサービスから構成されている。
●①オンラインスタッフィングプラットフォーム領域
クライアントが特定のランサー(フリーランス)に仕事を依頼する形態のサービスである。依頼内容としては、ランサーが担う業務の専門性が高く、クライアントによる依頼単価が高いことが特徴で、システム開発・運用、デザイン、クリエイティブ制作及び記事作成等がある。
●②クラウドソーシング領域
クライアントが不特定多数のランサーに仕事を依頼する形態のサービスである。具体的には、データ入力や記事作成、デザイン(ロゴ)制作等、比較的依頼単価が低い案件が中心となっている。
■各サービス比率
同社にはオンラインスタッフィングプラットフォーム領域、クラウドソーシング領域の2つのサービスがあるが、流通総額(同社サービスで取引される金額の総額)はオンラインスタッフィングプラットフォーム領域が約9割を占めている。
2014年度から2018年度にかけて、クライアント数は約1.6倍、クライアント単価は約1.7倍に拡大した。しかしオンラインスタッフィングプラットフォーム領域が約9割を占める状態に変化はない。よって案件の殆どは、クライアントからランサーに対して直接発注される状態である。
■同社の特徴
同社では運営プラットフォームの信頼性を高めるため、下記3つの取り組みを行っている。
① 信頼を可視化するテクノロジー
② 信頼を活かすマッチングアルゴリズム
③ 信頼できるランサーを増加・定着させる仕組み
クラウドソーシングサイトは匿名性が特徴である。しかし同社はオンラインスタッフィングプラットフォーム領域が主力であり、ランサーに実名・顔写真の入力を推奨するなど、ランサーとクライアントの間の信頼を担保する運営を特徴としている。
またランサーに対して福利厚生、法務、経理等の管理業務のサポートサービスを提供することで、同社サービスへの定着を図っている。
■業績推移
2017.年3月期 売上高19億円、経常利益▲2.3億円、当期純利益▲2.3億円
2018年3月期 売上高19億円、経常利益▲3.5億円、当期純利益▲3.5億円
2019年3月期 売上高25億円、経常利益▲0.9億円、当期純利益▲0.2億円
2020年3月期(予想) 売上高34億円、経常利益▲5.5億円、当期純利益▲5.7億円
※2018年3月期より連結決算
着実な増収が続いているが、経常利益の赤字が継続している。2019年3月期は経常利益▲0.9億円となり黒字化目前となった。
しかし今後の成長に向けて積極的な人材採用、大規模なプロモーションを実施しており、2020年3月期は大幅な赤字(経常利益▲5.5億円)での着地を予想している。尚、Q2(累計)で売上高15億円、経常利益▲2.2億円となっている。
■財務状況
2019年3月期末時点で、資産合計23億円に対し純資産合計9.9億円、自己資本比率42%である。
借入金1.5億円、クライアントからの預り金5.5億円に対し、現預金17億円を保有しており、財務的には特段の懸念事項はない。(2019年9月期Q2に借入金が11億円となったが、現預金も21億円に増加している)
また営業活動によるキャッシュ・フローは2018年3月期▲1.0億円、2019年3月期▲1.6億円であり、マイナスが続いている。
■資金使途
IPOにより11億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・サービス認知度向上及び顧客基盤拡大のための宣伝広告費 3.4億円
・人材基盤を拡張するための人件費の一部 1.4億円
・金融機関に対する借入金の返済資金 5.0億円
調達資金の約半数が事業拡大のための宣伝広告費及び人材投資に充当され、残りの半数が今期増加した借入金の返済に充てられる。
■株主状況
秋好社長が筆頭株主であり株式シェア57%を保有している。
また2位のグロービス4号ファンド投資事業有限責任組合(株式シェア9.0%)以下、4名義のVCファンドが株式を保有し、VC比率は18%である。VCはIPO後90日、株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
また取引先のパーソルHD<2181>及び関連会社が5.8%を出資しており、社長及び取引先で株主シェア60%を超える状態である。
■まとめ