週初の売りに警戒 一目均衡表の雲の上で推移する時間帯が長ければ、良い足場固めに

Market Talk
(画像=PIXTA)

今週は11日が建国記念日の祝日で飛び石連休のようなスタートになる。営業日は4日だが、月曜日は「開店休業」みたいなものだから、実質的に週後半3日しかないと言えるだろう。

月曜日は「開店休業」みたいなものだ、といったが結構売りがかさみそうだ。まず、先週に大きく上げた反動。そして、NFPが上振れたのに反落した先週末の米国株市場に連れ安するところもある。加えて、11日の火曜が建国記念日の祝日で休場なので、ポジションをとりにくい。板が薄くなることを見透かした投機筋の仕掛け売りと、休みの前のヘッジ売りが重なって思わぬ値幅の下げになるかもしれない。それは要注意だ。

休みの前のヘッジ売りというのは、11日にニューハンプシャー州の予備選があるからだ。アイオワではヨミ通りにブティジェッジ氏がトップだが、僅差であった。2位はサンダース氏。ブティジェッジ氏がアイオワに全力投入する一方、上院議員のサンダース氏はトランプ弾劾でワシントンに釘付けを余儀なくされた。そんな状況でもアイオワでは僅差だったのだからニューハンプシャーではサンダース氏が巻き返す可能性が大きい。実際のところニューハンプシャーの支持率ではサンダース氏がトップだ。

そうなった場合の相場のヨミもまた難しい。社会主義的資本主義を公言する候補の台頭は、普通に考えればマーケットは嫌うだろう。ただ、そういう左派過ぎる候補だと本番の大統領選には勝てないのでトランプ氏再選の確度上昇、と解釈してマーケットはポジティブにとらえる可能性もある。順調に集計作業が進めば結果が判明するのが休み明け12日の日本時間午後である。

国内の決算発表は佳境を過ぎた。一概に弱い決算発表であった。4-12月と10-12月がこれだから、新型肺炎の影響をかぶる1-3月期はどうなることやら先行き不安である。実態悪を数字のデータで見た時、市場は下げるだろうか。あるいは、織り込み済みと却って上がるだろうか。

基本シナリオは「終わった数字」として悪材料視されないというものだ。次の決算発表は年度全体になるので、「終わった数字」よりも次年度の業績に市場の目は向かうだろう。そして次の決算発表は4月下旬。暖かくなってウイルス感染も下火になっているだろう。

今週の日本株相場はまた上値の重い展開となりそうだが基本的に一目均衡表の雲の上限に沿った動きであれば、今後の上昇の足場固めとなるだろう。

想定レンジは2万3500円~2万4100円とする。

広木隆 広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術

【関連リンク マネックス証券より】
ブラックスワンの対処法
2020年1月米国雇用統計プレビュー
新型肺炎 日本企業の業績への影響は
日米主要企業の決算に注目
新型コロナウイルスの金融市場への感染リスク