格安の航空会社LCC(ローコスト・キャリア)の台頭によって、国内はもちろん海外旅行も手軽に楽しめるようになってきました。一方で、日本を代表する航空会社のJAL(日本航空)やANA(全日本空輸)にはLCCにはない魅力的なサービスがたくさんあります。

そのひとつが上級会員制度。JALやANAでは、毎年1~12月の12カ月間に積算されたポイントなどによって、一般とは異なるサービスステータスを獲得することができます。このステータスを獲得すると、エコノミークラスでも空港ラウンジを利用できたり、専用カウンターやビジネスクラスのカウンターを利用することができるのです。ここでは、JALとANAの上級会員資格の獲得方法と、意外と知られていないラウンジ利用の裏技をご紹介します。

上級会員資格は一度取得すれば半永久的に有効

JAL,ANA,上級会員資格
(画像=KITTIKUN YOKSAP/Shutterstock.com)

JALやANAの上級会員資格を得るためには同年の1~12月の間(年をまたいでの積算は不可)に、とにかく同じ航空会社(JALまたはANA)もしくは同グループの飛行機に乗りまくること。そして、一定以上のポイントを獲得することです。上級会員資格はどんなにお金を払ってもダメ、飛行機に搭乗することでしか獲得できません。

JALとANAの上級会員資格を持つ武田義男さん(仮名)は言います。

「実は、JALもANAも一度上級会員の資格を獲得すれば、以降は登場距離や回数などに縛られずに半永久的にそのステータスを維持することができるのです。ですので、私の場合、2017年は出張やプライベートにかかわらずJALに集中的に乗り、翌2018年はANAに絞り込みました。ANAは11月時点で規定ポイントに達していませんでしたので、駆け込みで意味もなく国内を行き来しました。上級会員を狙う層の間では“マイル修行”などと呼ばれていますが、そうまでしても手に入れる価値がある資格なのです」

“マイル修行”してでも手に入れたい上級会員資格の魅力

JAL、ANAともに上級会員資格のランクは複数ありますが、狙いたいステータスはJALならサファイア以上、ANAならプラチナステイタス以上で、ともに最低5万ポイントが必要となります。なお、JALは「FLYONポイント」、ANAは「プレミアムポイント」と呼ばれていますが、基本的な算出方法はほぼ同じです。ちなみに、JALの場合には規定のFLYONポイントに満たなくても年間最低50回搭乗することで資格を得ることができます。

そして、その基準を達成すると、晴れて上級会員の資格を得ることができます。ただ、これだけだと1年間限定の資格ですが、JALなら「グローバルクラブ(JGC)」、ANAなら「スーパーフライヤーズ(SPC)」へ入会することで半永久的に上級会員の資格を得ることができるのです。では、具体的にそれら上級会員にはどのような特典が用意されているのでしょうか?

「私が一番魅力的に感じるのは、やはりエコノミークラスの利用でも空港ラウンジを無料で利用できることです。とくに、JAL国際線の『サクララウンジ』はスパークリングワインなどアルコール類も無料、個室シャワーやマッサージチェアなどもあり、とても快適です。

さらに、ここでしか食べられない特製オリジナルビーフカレーは絶品。それ以外にも、預けた荷物が優先的に出てくるプライオリティバッゲージサービス、専用カウンターでのチェックイン、空港での優先空席待ち、ファストセキュリティーレーンの使用、機内への優先登場などが、エコノミーの搭乗券でも利用することができるのです」(武田氏)

JALの上級会員なら、キャセイパシフィックのラウンジも使える

ここまでの話は、ある種ネットなどでも有名な話ですが、あまり知られていないラウンジ利用の裏技があります。実は、羽田空港国際線ターミナルに独立したラウンジを持っているのは日本の航空会社のJAL、ANAに加えて、香港のキャセイパシフィック航空だけです。キャセイパシフィックはJALと同じワンワールド加盟航空会社で、JALの上級会員は航空券の種類にかかわらず無料でキャセイパシフィックのラウンジを利用することができるのです。

JALやANAのラウンジが大混雑したときは

「日本の航空会社ということもあり、JALやANAのラウンジは大混雑することがたびたびあります。JGCやSPCといった半永久的会員も増え続けていますのでこの傾向は続くでしょう。繁忙期のJALのサクララウンジなどは、カレーを食べるのに長蛇の列ができることもめずらしくありません。そういうときは、キャセイパシフィックのラウンジを利用します。

私の経験上、こちらのラウンジはいつも空いています。人気のヌードルバーは、ホテルオークラが運営していて、その場で注文を受けたスタッフがつくってくれます。そのほか、フレンチトーストやデザートもとてもおいしく、いつも機内食が食べられなくなるくらい食べてしまいます。ただ、キャセイパシフックのラウンジの営業時間は7時30分から17時までですので注意してください」(武田さん)

さて、ここまで駆け足で解説してきましたが、JALおよびANAの上級会員資格やJGC、SPCへの加入条件、そのほか詳しい内容は、各航空会社のホームページ等でご確認ください。(提供:THE OWNER

文・THE OWNER編集部