自分には縁遠い世界だとしても、富裕層がどのような暮らしをしているのか気になる人もいるだろう。日本における富裕層の基準としてよく知られる野村総合研究所の「純金融資産の保有額に基づく世帯階層」によると、富裕層の定義は資産1億円以上と言われている。

「富裕層ならば金額に糸目をつけず、欲しいものはすべて手に入れられる」というイメージがあるかもしれないが、実際の富裕層の暮らしを見ると、お金に対して堅実な姿が見えてくる。現代の富裕層の「コスパ重視」エピソードを紹介しよう。

1. 飛行機の座席はファーストクラスではなくビジネスクラス

富裕層,コスパ重視
(画像=Halfpoint/Shutterstock.com)

富裕層と聞くと、飛行機のファーストクラスを思い浮かべる人も多いと思いますが、実は富裕層の間ではファーストクラスはそれほど人気がありません。むしろビジネスクラスを選択する人が圧倒的に多いと思います。その理由は、富裕層はコストパフォーマンスに対して非常に敏感だからです。

航空会社による宣伝の影響も大きいのかもしれませんが、ビジネスクラス以上に搭乗(とうじょう)すると、機内で豪華なディナーを堪能(たんのう)できるというイメージがあると思います。実際にビジネスクラスやファーストクラスでは好きな時間に食事が取れますし、料理も皿に盛ってサーブされ、ワインも豊富です。しかしながら、ビジネスクラスやファーストクラスに搭乗している富裕層の人は、思ったほど機内食を食べていません。機内食では、どうしても味に限界が出てきてしまうからです。

飛行機の機内は気圧が低く、騒音も大きいです。厨房(ちゅうぼう)で調理することもできないので、地上で食べる食事と比較するとどうしても味が劣ってしまいます。富裕層の場合、普段からそれなりの食事をしていますから、機内食を美味しく感じることはまずありません。食事を目当てにビジネスクラスやファーストクラスに乗る人は、ほとんどいないと思ってよいでしょう。

詳しくはこちら。

富裕層が「ビジネスクラス」を選ぶ理由(2019/10/21公開)

2. ワインは「オーパスワン」を指名買い

富裕層の方たちに御用達の最高級ワイン「オーパスワン」。富裕層が「コスパがいい!」と口を揃える理由は、ワイン誕生までのストーリーや安定的な味、そして知名度も高いために贈り物などとしても喜ばれやすいことが挙げられます。富裕層が指名買いするオーパスワンの魅力とは!?

(中略)

年代によって価格は異なりますが、1本4〜5万円台が多く、現在(2019年)販売されている中で最も若いオーパスワンとなる2015は1本5万円後半で販売されています。またレストランなどでオーパスワンを注文する場合は、7〜9万円ほどが一般的です。時期や販売場所によっては、通常価格よりお得に購入できることもあります。オーパスワンは贈り物としても重宝され、誕生日のプレゼントや内祝いなどでもよく購入されます。オーパスワンワイナリーがジョイントベンチャーとして成功した歴史もあり、験を担いでビジネス関連の会合で登場することもあるほど、人気の高いワインです。

オーパスワンは、安定的な味、知名度の高さから富裕層からの支持が厚く、値段以上の価値があると言われているそうです。価格的にコスパが良いという表現がふさわしいのか?と考えてしまうかもしれませんが、値段以上の安定的な価値がある、と捉えれば確かに富裕層にとってはコスパが良いとも考えられます。

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富裕層が4万円のワイン「オーパスワン」のコスパがいいという理由(2019/12/22公開)

3. もっとも有効なお金の使い方は「歯のメンテナンス」

富裕層は、「マネーリテラシー」が高いといわれます。しかし、富裕層のお金の有効な使い方の意識は資産運用だけでなく、歯の治療にも向いているのをご存知でしょうか。富裕層は、具体的にどんな考え方に基づき、どのような歯の治療を行っているのでしょうか?

(中略)

歯の健康と病気の関連性を指摘する医師は多い傾向にあります。一例としては、糖尿病や循環器系疾患、骨粗しょう症、リウマチ、アルツハイマー病などとの関わりが指摘されています。歯医者に通院するとなると、時間も費用もかかりでしょう。そのため、ひどい痛みがないうちに歯医者へ行くことは一見無駄に見えるかもしれません。

しかし、病気になってからの医療費と仕事ができない逸失利益を考えれば、歯の定期的なメンテナンスはむしろコスパがよいといえるでしょう。富裕層でこのような考え方をする人は多く、歯のメンテナンスを時間・労力削減の投資と考えているのです。

詳しくはこちら。

富裕層はなぜ痛みがないのに早めに歯科医に行くのか?最新治療と医療費控除の使い方(2019/07/18公開)

4. 時計は投資目的で「ロレックス」に

高級時計はお金持ちの象徴とされてきましたが、最近はスマホの普及で時計を持つ人が減っているとも言われており、若い世代の富裕層の中には、時計などを一切身につけない人もいます。それでも、時計は富裕層を象徴する品物の1つであることに変わりはないでしょう。高級時計がお金持ちの象徴とされるのは、時間を知るという行為に対して、多額のお金をかける必要性がないからです。

(中略)

しかしながら、こうした超高級ブランドが台頭しているにもかかわらず、お金持ちの間では相変わらずロレックスなど、従来型の高級時計も根強い人気となっています。超高級時計も買うことができるほどの富を持っているにもかかわらず、一部の富裕層はなぜ従来型の高級時計を好むのでしょうか。実はこうした従来型ブランドは、富裕層にとって1つの投資対象となっているからです。

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富裕層がロレックスを買う理由は“投資”(2019/10/23公開)

「足るを知る」の精神で

いくら資産があるとはいえ、お金は無限ではない。お金の価値が分かっているからこそ、富裕層はコストパフォーマンスを意識した行動をしているのだろう。富裕層といえども、「足るを知る」の精神を持ち続けることが、成功者でいる秘訣なのかもしれない。