富裕層は、「マネーリテラシー」が高いといわれます。しかし、富裕層のお金の有効な使い方の意識は資産運用だけでなく、歯の治療にも向いているのをご存知でしょうか。富裕層は、具体的にどんな考え方に基づき、どのような歯の治療を行っているのでしょうか?

歯の良好な状態が健康に深く関わるという考え方

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(写真=PIXTA)

歯の健康と病気の関連性を指摘する医師は多い傾向にあります。一例としては、糖尿病や循環器系疾患、骨粗しょう症、リウマチ、アルツハイマー病などとの関わりが指摘されています。歯医者に通院するとなると、時間も費用もかかりでしょう。そのため、ひどい痛みがないうちに歯医者へ行くことは一見無駄に見えるかもしれません。

しかし、病気になってからの医療費と仕事ができない逸失利益を考えれば、歯の定期的なメンテナンスはむしろコスパがよいといえるでしょう。富裕層でこのような考え方をする人は多く、歯のメンテナンスを時間・労力削減の投資と考えているのです。

歯の健康を考える上で大事な3つのポイント

では、歯の健康とは具体的に何を指すのでしょうか。WHO(世界保健機構)は、憲章前文で「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます 」と定義しています。歯に関しても、病気になる前の段階も含めて健康であることが大事と考えてよいでしょう。

歯にも体に悪影響を与える病気や状態がいくつもあります。その代表的な例が次の3つです。

・歯周病の脅威
歯周病は、歯と歯肉の境目に多くの細菌が住みついて、歯垢として蓄積された結果、歯肉の周辺が炎症を起こしたり、腫れたりする病気です。進行すると歯周ポケットが深くなり、その影響で歯の土台が溶けて不安定になったり、最悪抜歯をしなくてはいけなくなったりするケースもあります。

・歯を失うことによる悪影響
歯がなくなると、身体の多方面に影響を与えます。食物をうまくかみ砕けなくなるので胃腸への負担が増えやすく合併症に発展するリスクも少なくありません。外見上では、前歯がなくなると口元にしわが寄って実年齢よりも老けて見えるなど、コミュニケーションにも影響します。

・かみ合わせの悪化にともなうリスク
噛み合わせが悪いと、睡眠時無呼吸症候群に陥ることがあると指摘する医師もいます。例えば、「出っ歯」の場合は歯が出ているのではなく、実際には顎が引っ込んだ状態です。顎が引っ込んでいる分、気道が狭くなってしまうため、それがイビキを誘発し無呼吸症候群の原因になるといった考え方です。こういった状態を矯正治療する医院もあります。

このように歯の状態は、単に口の中にとどまらず身体全体に悪影響を与えてしまう可能性があるのです。歯の健康を保つことの大切さが理解できたのではないでしょうか。

最新の治療例 骨を削らないインプラントや歯周再生

最近は、さまざまな歯の最新治療が生まれていますが、その中から話題性の高い2テーマを紹介します。

・骨を削らないインプラント
「バイオインプラント®」と呼ばれる最新の技術では、骨を削らずに埋め込むことができ、個々の歯根の形状にフィットさせられるため、オーダーメイド的にインプラントを作ることができます。身体的・精神的な負担が軽く、埋め込む時間も短縮できる注目の治療法です。

・歯周再生
歯周病の状態にある歯周を再生させる治療です。具体的には、まず歯周病の検査をし治療計画を立てます。軽度のケースでは、原因である歯垢や歯石を取り除き、歯周ポケットを浅くするのが一般的です。重度のケースでは、歯肉を切開し歯根から歯垢や歯石を取り除く処置から再生をスタートさせます。

歯科医療も日進月歩で新しい技術が開発されていますので、どんな歯の状態でもあきらめずに専門歯科医・かかりつけの歯科医に早めに相談してみましょう。

インプラント治療も医療費控除の対象になる?ならない?

最後に税金面の話題です。歯科治療の費用は、医療費控除の対象になります。年間(1月1日~12月31日)で自身と扶養家族の医療費合計が10万円を超えた場合、確定申告を行うと税金の一部を還付することが可能です。例えば、歯列矯正の場合、治療を受ける人の年齢や矯正の目的などから歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。

万が一、確定申告を忘れてしまっても5年間はさかのぼって申告できます。そのため、医療関係や薬品代、通院の交通費などの領収書、レシートは大切に保管しておくことが大事です。(ただし、確定申告では医療費控除の明細書の添付のみで可)おおいに医療費控除の制度を活用して、歯と身体の両方の健康維持に努めていきましょう。(提供:Wealth Lounge

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