年末調整,源泉徴収,控除
(写真=Thinkstock/Getty Images)

年末調整は、給与所得者、給与支払者双方にとって重要な手続きである。今回は年末調整が正しく行われたかどうかを確認するため、源泉徴収票の見方を解説する。

このとき控除漏れがあった場合の対処法についても解説するので、ぜひ自身の源泉徴収票と照らし合わせて確認していただきたい。


年末調整とは

年末調整とは、年間を通して支払われた源泉徴収税が実際の所得税額と一致しているかを確認し、過不足分についてこれを調整する手続きのことである。源泉徴収税は、給与支払者(雇用主)が毎月(日)の給与に対して所定の税率を乗じて求めているが、源泉徴収段階では各種控除が考慮されていない。

また年間を通して給与が変動しないことを前提としているため、年中に変動があった場合にはやはり一致しない。職場の異動等があった場合も同様である。

年末調整では先述の要因により、多くの場合所得税について還付されるため「行えば得をする」かのような印象があるが、この手続きは給与所得者にとって確定申告と同義であるため、損得に関わらず原則として行わなければいけない手続きだ。

年末調整の対象でありながらこれを行わなかった場合は、確定申告を提出する必要があるため注意していただきたい。

年末調整の対象となるものは、1年を通じて勤務している人・年の途中で就職し、年末まで勤務している人・年の途中で退職した人のうち、一定の条件に当てはまる人である。

このうち、給与が2000万円を超える場合・災害等の被害により源泉徴収の徴収猶予を受けている場合・扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合などは年末調整の対象とならないが、アルバイトやパートも含め基本的にはすべての給与所得者が年末調整を行う必要があると認識すべきだ。

源泉徴収票の見方、控除漏れの確認方法

年末調整を行うと、調整内容を反映した源泉徴収票が配布される。源泉徴収票には所得や所得税が記載されているほか、その税額の根拠となる参考情報が網羅的に記載されている。控除漏れがあるかどうかは、この源泉徴収票に申告情報が正しく反映されているかどうかを見ることで確認できる。

年末調整で対象となる所得控除は大きく分けて2つ、人的控除と物的控除とに分けられるが、それぞれについて源泉徴収票に正しく記載されているかを照合しよう。

まず人的控除とは、配偶者控除や扶養控除、障害者控除などを指す。源泉徴収票においては、各要件を満たす人員を項目ごとに記載しているので、これが扶養控除等(異動)申告書に記入したものと同一であるかを確かめる。

次に物的控除とは各種保険料控除や医療費控除等を指すが、年末調整においては保険料控除や住宅借入金等特別控除(申告の翌年以降)のみが対象となっているため、これが各保険料についてそれぞれ正しく記載されているかを確かめよう。

申告漏れがあった時の対処法

源泉徴収票を確認したところ、人的にせよ物的にせよ記入漏れや申告漏れが見つかった場合、これは年末調整の提出期限内であれば再調整(再年調)することができる。年末調整は一般的に11月の終わりから12月の初頭にかけて書類の提出を求められることがほとんどだと思うが、手続き上の最終期限は翌年の1月31日となっている。

この最終期限に間に合わなかった場合は確定申告することで同様の控除を受けることが可能だ。ただし、再年調を依頼する場合は雇用先にとって負担となり、別途確定申告をする場合は自身にとって負担となることは言うまでもない。

申告漏れに限らず、職場が異動になった際や結婚や出産などで扶養親族数に変動があった際などにも再年調は頼れる手続きだが、あくまでも意図せず発生した控除漏れを修正するためのものだ。再年調があるからといって申告書の提出をおざなりにしてはいけない。

アルバイト・中途退職者は注意

年末調整を受ける条件のひとつとして「年末まで勤務している者」とあるが、これはアルバイトでも正社員でも同様だ。年の中途で退職をすると、それまで徴収された源泉徴収税について年末調整が行われないため、別途確定申告をしなければいけない。

アルバイトや副業によりダブルワークをしていた場合、年末調整はどちらか一方(主とする勤務先)でしか行われず、もう一方については調整がなされない。これらの所得に関して控除を適用されるためには、確定申告が必要になる。

特にダブルワークの場合に気をつけて欲しいのが、所得税は所得の合算に対して課せられるという点である。申告漏れにより控除が受けられないばかりでなく、金額如何では納付督促所が送られる可能性さえあるのだ。

年末調整は行わなければいけないものという認識

年末調整は給与所得者にとって確定申告と同義で、正しく行えば最大限控除の適用を受けられるといったメリットを置いておいても、手続きしなければいけないものである。良く分からないからと適当に済ませるのではなく、ぜひ各控除に対して積極的に取り組んでいただきたい。

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