年末調整,学資保険
(写真=Thinkstock/Getty Images)

年末調整において、厚生年金や国民年金などの公的保険を始め、生命保険や地震保険等の各種保険にも控除が適用されることは承知している方も多いかと思うが、学資保険については申告しているだろうか。一般に学資保険は控除対象外と思われがちだが、実は保険料控除の対象なのである。今回は学資保険が控除対象となる理由をその仕組みから解説すると共に、控除の適用を受ける際の申告方法などについてまとめた。これまで学資保険について控除申請を行っていなかったという方、また今後学資保険の加入を考えているという方は、ぜひ一読の上で検討していただきたい。


学資保険とは

学資保険は将来的に発生する教育費等に対する備えとして加入することを想定して設計された保険であり、その主契約は貯蓄的側面が強い。一定の期間(小中学への進学時期など)ごとにお祝い金という形で給付が受けられるほか、満期(子供が18歳か22歳に達した時点を満期とするものが多い)を迎えた段階で満期金を受け取ることができる。学資保険がその他の貯蓄方法としばしば比較されるのは、その返戻率の高さと各種保障特約の存在である。

まず返戻率とはいわゆる利回りを示す指標のひとつで、次の数式で算出される。

(満期保険金+一時給付金)÷総保険金額×100=返戻率

これが100%を超えれば超えるほど、より多くの保険金を受け取れることとなり、逆に100%を下回れば元本割れとなる。この計算には「保険期間」が含まれていない性質上、長期間の保険契約は基本的に返戻率が高くなりやすい。学資保険は俗にドアノック商品(呼び込み商品)と呼ばれるほど、契約者が得をしやすい保険とされており、実際に各保険会社も力を入れている傾向がある。だが子供出産直後などに加入することを考えればその保険期間は20年前後と非常に長く、返戻率が高いと言われるのも返戻率算出の仕組みによるところが大きいのだ。資産の貯蓄目的で安易に学資保険を契約することに警鐘を鳴らす人が一定数いるのは、こういった理由からである。

もう一方の保障特約とは、保険料支払者(親)に万一の事情が発生した際に保険金が支払われるものだ。目的は通常の生命保険と相似しているが、ここに満期保険金や給付金の存在が加わるとやはりメリットは大きい。返戻率のからくりを知ってもなお学資保険を契約する人は、これら保障を目当てとしているケースが少なくない。

年末調整で生命保険として控除できる

前述の通り学資保険は貯蓄目的で加入する、あるいは貯蓄を主目的として契約を勧められることが多いことから、貯蓄保険として見られがちだ。生命保険料控除では財政貯蓄契約などの支払いについては対象としていないため、学資保険も同様に対象外なのではないかといった誤解が生じる。

学資保険の主契約はその形態から積み立てと表現されることがあるが、これは厳密には生存保険の一種であり生命保険料控除においては一般生命保険料として適用が認められるのだ。加えて、生命保険料控除では保険期間が5年未満の契約に関しても対象外としているものの、学資保険は基本的に長期契約であるためやはりこれも問題はない。

控除額の計算方法

控除額を計算する上で、まず学資保険以外に契約している保険について把握しよう。生命保険料控除では、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除、といった3種類の区分が存在し、適用を受ける保険料がいずれに属するかによって控除額が変動する。各控除では4万円を上限として支払保険料ごとに計算がなされ、最大12万円の控除を受けることができる。支払保険料ごとの具体的な控除額は以下の表の通りだ。

年間の支払保険料等 控除額
20000円以下 支払保険料等の全額
20000円超 40000円以下 支払保険料等×1/2+10000円
40000円超 80000円以下 支払保険料等×1/4+20000円
80000円超 一律40000円

また2013年12月31日以前の保険契約については旧制度として扱われ、一般生命保険料控除、個人年金保険料控除の2種類の控除に対し、以下の表の通り控除額が適用される。

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円

いずれの制度を利用した場合であっても、すでに支払保険料が上限を超えているならば学資保険をあらたに申告することに意味はない。

控除の申請方法・書類

生命保険料控除の適用を受けるには、年末調整時に「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」を提出し、その際に生命保険料控除証明書を添付すれば良い。生命保険料控除証明書は各保険会社から年末調整前には送付されるため、申告まで失くさずに保管しておくよう注意してほしい。もしも見当たらない場合は、速やかに再発行を依頼しよう。

控除する際の注意点

今回解説したのはあくまでも一般的な学資保険についてであり、契約している保険商品や特約の内容、また保険期間などによっては控除対象とみなされない可能性がある。不安がある場合は申告前に、可能であれば保険契約前に保険会社へ確認すると良いだろう。

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