住民税 いつから,住民税
(写真=Thinkstock/Getty Images)

住民税の節税を検討するとき、あるいは単に将来的にかかるだろう住民税を計算したいときなど、一体「いつから」なのかが分かりにくいという部分が存在する。それは納税(徴収)時期であったり、所得控除の適用時期であったりとさまざまだ。今回は、この住民税にまつわるいろいろな時期について、住民税の仕組みから要点を解説すると共に、いくつかの状況をモデルケースとして紹介する。


住民税の仕組み

一般的に住民税といった場合、道府県民税(東京都においては都民税)と市町村民税(東京都23区内においては特別区民税)という2つの税金を指す。また住民税には、個人に課せられる「個人住民税」と法人に課せられる「法人住民税」という分類もあるが、今回は特に個人住民税について解説する。

個人住民税は、所得に応じて課せられる「所得割」、住民すべてに均一に課せられる「均等割」、利子所得に課せられる「利子割」、特定配当等に課せられる「配当割」、上場株式等の譲渡所得に課せられる「株式等譲渡所得割」という5つの課税額からなるが、このうち利子割、配当割、株式等譲渡所得割については特に言及しない。なぜなら、それら3つの個人住民税については、対象となる所得(配当)が支払われる際に、金融機関や証券業者が徴収(特別徴収)するという形態であるためだ。

住民税の課税時期と対象とする課税所得の関係

問題となる所得割と均等割の仕組みだが、これらは毎年1月1日時点で居住している区市町村において賦課がなされ、その年の6月より順次納付することになる。そのため、年の中途で転居したとしても、その年の住民税の納付は転居前の区市町村へ行わなければいけない。逆にこの場合、その年においては転居先の区市町村に対する住民税の納税義務は発生しない。

また、所得割と均等割を課税する上で計算の基礎となる所得とは、「前年の総所得」である。納付時期が6月以降になるため分かり辛い部分ではあるが、課税時期が1月1日時点であることを認識していれば、そう難解でもないはずだ。なお均等割は所得に関わらず一定の額が課税されるものだが、非課税要件として参考にする所得は、やはり前年の合計所得である。

住民税のうち、所得割と均等割は「1月1日時点」に課税されるものであり、参考とする所得は「前年の所得」である。この2つの要件を理解していれば、おおよそ住民税にまつわる時期に関して迷うことはないだろう。

続けて、いくつかの具体的なケースに分けて、以下を確認してみよう。

住民税いつから ケース1:特別徴収(給与天引き)の開始時期

前述の通り、住民税は前年の所得に対して課せられるものであるため、住民税の特別徴収は「入社から2年目」の6月より開始されることになる。ただしこれは、入社から1年目時点での「前年の所得」が非課税限度額以下だった場合に限る。

もしも転職等によって特別徴収先(給与支払者)が変わった、あるいは今まで普通徴収によって納めていた住民税を特別徴収へ切り替えた場合などは、やや複雑になる。この場合、間を置かずに再就職したならば再就職先(申請した雇用先)において速やかに特別徴収を開始することができるが、普通徴収による納付時期が過ぎてしまっているものについては切り替えることができない。

また、6月1日から12月31日までに退職・転職した場合は、その年分の住民税を前雇用先において一括で特別徴収してもらうことも可能なので、臨機応変に対応すると良いだろう。

住民税いつから ケース2:住宅ローン控除の控除時期

住宅ローン控除とは、所得税において認められる税額控除(所得控除とは異なる)で、所得税より引き切れなかった分の控除額については住民税への控除が認められることになっている。

このケースにおいては、所得税が確定するタイミングと住民税の課税時期を考えれば良い。所得税が確定するのは、給与所得者ならば原則1月31日(給与支払者の申告期限)、確定申告義務者ならば原則3月15日(確定申告期限)であり、いずれも住民税の課税時期である1月1日よりも遅い。

そのため、このとき控除が認められる住民税は、翌年の住民税ということになる。

住民税いつから ケース3:配偶者控除、扶養控除などの控除時期

これもケース2とほぼ同様で、年の途中で結婚・出産により扶養親族の人数等が変わったとしても、その控除が適用されるのは翌年の住民税からである。これは人的控除に限らず、住民税におけるあらゆる所得控除が同様だ。

税金の「いつから」は課税時期と課税対象に注意

住民税に限らず、各種税金にまつわる「いつから」を考えるときは支払時期ではなく、その税金がいつ、何を対象として課税されるものであるかを考えると分かりやすい。税金を試算する上で、参考としていただければ幸いだ。(ZUU online 編集部)

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