年末調整や確定申告の時期が近付くと、今年は何が控除できるかと考えはじめるのではないだろうか。中でも「住宅ローン控除」は高額な控除対象となりやすく、対象となるなら必ず申告しておきたい。「住宅ローン控除」と聞くと、新築の人が対象では?と思われがちだが、実は増改築などのリフォームでも100万円を超える工事費用で且つ、一定の要件に該当すれば「住宅ローン控除」の対象となることをご存じだろうか。

リフォームでの住宅ローン控除要件は難しいものではない

住宅ローン控除.リフォーム
(写真=baranq/Shutterstock.com)

増改築などのリフォームで住宅ローン控除を受けるためには、大きく2つの要件がある。ひとつは工事費用が100万円を超えていること、もうひとつは10年以上の住宅ローンの借入金があることだ。

このふたつに該当するなら、住宅ローン控除が受けられる可能性がある。また、一般的な増改築の他に、耐震改修工事やバリアフリー改修工事、省エネ改修工事などの場合でも控除対象となる場合がある。さらに詳細な要件のポイントをしぼり確かめてみよう。

<住宅ローン控除の適用の要件>

  • 自己が所有し、且つ住居としている家屋の増改築であること(マンションも含む)
  • 大規模な修繕、模様替え工事
  • 構造の強度や耐震性など安全に係る工事
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネルギー改修工事
  • 控除を受ける年分の合計所得金額が3千万円以下
  • 増改築をした後の住宅の床面積が50平米以上、且つ床面積の1/2以上の部分が自己の居住空間
  • 工事費用の額が100万円を超えている
  • 10年以上の分割住宅ローン借入 ※補助金の交付を受けている場合はその額を控除する

10年以上の住宅ローン借入があることが要件に含まれてはいるが、簡易な模様替えではなく、ある程度の費用が掛かるリフォーム・リノベーションを行う場合は、この要件に該当するケースが多く住宅ローン控除の対象が期待できる。

2000万円のリフォーム工事で住宅ローン控除はいくらになるか

住宅ローンの控除の内訳には、控除対象借入限度額と最大控除額、控除率、控除期間に上限が定められている。

<住宅ローン控除制度の上限>

  • 控除対象借入額の限度……4000万円
  • 最大控除額……400万円(年間では最大40万円)
  • 控除率……1%
  • 控除期間……10年

住宅ローン控除の算定は次のようになる。

住宅ローン年末残高×控除率1%=住宅ローン控除の想定額

仮に、年内に2100万円でリフォーム工事を行った場合に想定される住宅ローン控除の想定額を試算してみよう。年末のローン残高は2000万円と仮定する。

2000万円×1%=20万円となり、年間最大控除額40万円より小さいほうの額が対象となるため、控除額の想定は20万円となる。

所得税の控除と住民税からの控除があり、上述の例では10年間で200万円の住宅ローン控除が受けられることになる。要件に該当するなら、忘れずに必ず申告しておきたい制度だ。

リフォームでの住宅ローン控除を受ける手続きは?

リフォームでの住宅ローン控除の申告は、確定申告を行う必要がある。住宅ローンの特別控除計算明細書や年末の残高証明書などを添付し、所轄の税務署で期間内に申告をしなければならない。給与所得者については、確定申告をした年分の翌年以降は年末調整での控除適用が可能だ。

新築と比べ、リフォームでの住宅ローン控除は一般的には意識が薄い。新築ほどの住宅ローン借入額がないとしても、リフォーム工事費が100万円を超え、10年以上の住宅ローンがあるなら要件を確認し申告してほしい。また、これからリフォーム工事を予定しているなら、返済年数について検討してみるのも良いのではないだろうか。(岩野愛弓 宅地建物取引士、住宅専門ライター)

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