年末調整だけではカバーできない控除項目がある
前回【第1回】では、サラリーマンの確定申告について網羅的に解説した。どちらかというと、確定申告が必要かどうかの判断や、確定申告しなかった場合のペナルティ等確定申告の重要性に焦点を当てた内容だった。
そして今回【第2回】では、確定申告と年末調整の関係、とりわけ控除項目について詳しく解説していく。サラリーマンの場合基本的には企業が年末調整を行うが、実は企業の年末調整には含まれていない控除項目もある。
つまり、サラリーマンであっても自ら確定申告で控除申請しないと損をしてしまうのだ。
年末調整でカバーできない控除項目の存在
年末調整をしているから確定申告は不要だ、そんな風に多くのサラリーマンは考えているかもしれない。たしかに、企業に勤めているサラリーマンであれば、年末調整により納税額が決定する。ところが、年末調整ではカバーできない控除項目が存在するのをご存知だろうか。
例えば、最近話題のふるさと納税。自分が居住している自治体以外に寄付をすると、特産品などのお礼の品を受け取れて魅力的だ。実は、ふるさと納税で納めたお金は、寄附金控除というものが受けられる。他に身近なところでは、家族を含め1年間の医療費が10万円を超えている場合、医療費控除というものが受けられる。
実はこれらの控除は年末調整では賄えないのだ。これにはまず、年末調整と確定申告との関係を十分理解する必要がある。ここでは、それらの違いと確定申告が必要なケース、具体的な申告の方法について解説していく。