「医療費控除」といえば、確定申告の経験者や税金について詳しい人方なら「年間10万円以上」という水準があることは知っているだろう。しかし新しい制度では「年間1万2000円」以上が対象となる。具体的には「セルフメディケーション税制」といい、名前のとおり自己管理の医療費控除だ。
来年スタート 限度は8万8000円
この制度の狙いはおそらく、健康管理をすることで医療機関に受診して医療用医薬品を受け取る機会を減らそうというものだろう。薬局で市販されているOTC医薬品入について、その年の総所得金額などから一定額を控除できる。OTCとは、“Over The Counter”の略で、町の薬局等で対面販売で売られる薬だ
利用できるのは来年2017年から2021年末まで。対応者は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として“一定の取組”を行う個人とされている。この”“一定の取組”とは、特定健康診査、予防接種、健康診断、健康診査、がん検診などの医師の関与がある検診または予防接種のことだ。こうした健診をしっかり受けてもらおうという狙いもすけて見える。
自分だけでなく、配偶者や家族の分も対象となる(生計が同じなど条件がある)。スイッチOTC医薬品の購入のために支払った額の合計額で1万2000円以上、限度は8万8000円だ。
注意点としては、従来の医療費控除との併用はできず、選択適用となることだろう。
具体例は発毛剤(リアップX5)のほか、アレルギー用薬として、コンタック鼻炎スプレー、アレグラFX、コンタック鼻炎Zなど。またイノセアバランス(胃腸薬)やロキソニン(解熱鎮痛剤)も対象のため、ストレスで頭痛もち、胃薬が手放せない人には朗報だろう。このほかにも湿布などかなりの数の医薬品が指定されている。