確定申告はどうすればいいのか

確定申告では、領収証を添付する必要があることは、従来の医療費控除と同じだ。さらに、その年中に“一定の取組”を行ったことを証明する書類も必要だ。たとえば会社の健康診断を受けたことなどが分かるといいだろう。

具体的には、どのぐらいの節税効果があるのだろうか。厚生労働省の「平成28年度税制改正の参考資料」によると、本特例措置を適用する時のイメージが記載されている。

課税所得400万円の人が対象医薬品を2万円購入した場合、対象医薬品2万円−下限額1万2000円=8000円となる。所得税は、8000円×20%で1600円の減税効果があり、住民税は、8000円×10%で800円の減税効果がある。税率は、所得によって異なるためあくまでこれは参考例だ。

今まで、ただの支出でしかなかった発毛剤やアレルギー鼻炎の薬代。この領収書を保管して添付し確定申告をするだけで減税効果が得られる。医薬品を利用することが多い人は対象医薬品リストなどをチェックしておいたほうがいい。

この制度が始まれば、医療機関を受診するまでもない症状であれば、「市販の医薬品で済ませてしまおう」となり、国も医療費支出を抑えられるだろう。しかしだからといって、どんな症状でも自己判断でいいとは限らない。節税を図りながらも、セルフメディケーションという制度の原点を忘れず、自分の体調管理をするきっかけにしてはどうだろうか。

眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)