年末調整,時期,期間
(写真=Thinkstock/Getty Images)

年末調整は文字通り年末に行われる手続きだが、その正しい期限をご存知だろうか。年末調整では、申告忘れ等による控除漏れがあったとしても、期限内であれば再調整(再年調)を依頼することが認められている。

今回はこの再調整について解説すると共に、年末調整を行わなかった場合の処罰などについても紹介する。年末調整を行うときの参考としていただきたい。


年末調整を行う時期

年末調整は一般的に、11月終わりごろから12月初頭にかけて「扶養者控除等(異動)申告書」及び「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」といった書類が勤務先から配布され、速やかに提出することを求められるかと思う。

実際には適用を受ける控除によって各種必要書類を用意しなければならないため、提出時期に先駆けて配布されることが多いかと思うが、いずれにせよ年末調整に取り組む時期としては同年中の年末となる。だが、年末調整は同年中に行うことが定められているわけではない。

年末調整の期限は?

年末調整の期限は、所得税を調整する年の翌年1月31日。提出時期と差があるのは、給与所得者から回収した申告書について、給与支払者が事務手続きを行う期間を考慮しているためである。

この最終期限は基本的には給与支払者のための猶予期限ではあるが、給与所得者にとっても無関係ではない。記入ミスや申告忘れ等による控除漏れに後日気づいた場合、あるいは源泉徴収票に、申告したはずの内容が反映されていなかった場合など、再調整を依頼することができるのだ。

控除の適用漏れが発生するケース

年末調整において控除の適用漏れが発生する要因として、まず記入ミスや申告忘れが挙げられる。あるいはその中間、適用を受けたい控除について記入方法が良く分からなかった場合などもあるだろう。

そういった申告時の問題に限らず、申告を終えてから適用される控除が変動したときなどもこのケースに当たる。主なものとしては、結婚や出産により扶養親族に変動があった場合などだ。例えば年末調整を行った後に結婚し、配偶者となった者の所得が38万円以下である場合は配偶者控除の対象となる。

再年末調整処理とは

こういったケースにおいて行われる年末調整の再調整のことを、再年末調整処理(再年調)と呼ぶ。給与支払者に再年調を依頼する場合は、訂正事項を報告すると共に、既に源泉徴収票を受け取っているならばこれを返却する。

再年調を行うことになると、納税額を再計算することは当然として、給与支払報告書を始め複数の書類を訂正することとなり給与支払者にとっては非常に負担となる。タイミングによっては社内のみの手続きで完了することができるケースもあるが、いずれにせよ給与所得者の一存で行えるものではないので、再年調の必要を感じた際は給与支払者にまずは相談すべきだ。

再年調はあくまでも次善の策であって、頼りにすることを前提とするものではない。

期限から遅れてしまったときの対処法

再年調の期限も過ぎてしまった場合は、確定申告によって対処することになる。年末調整、ひいては源泉所得税とは給与所得者にとって確定申告の代わりとして設立された税制度であるため、当然確定申告を行えば同様の控除を受けることが可能である。

確定申告を行わなければ申告することができない所得控除(医療費控除、雑損控除等)もあるため、それら控除の適用を受ける場合は年末調整の状況に関わらず確定申告が必要だ。

再年調にせよ確定申告にせよ、通常通り年末調整を行う場合と比べるとはるかに手間がかかることとなる。特に確定申告については慣れている人間でも負担となる作業量を伴うため、医療費控除等を利用しないのであればできるだけ避けるべきだろう。

年末調整をし忘れてしまったときの処罰とは

源泉徴収という制度の形式上、年末調整は大部分の給与所得者にとってメリットとなる手続きだが、逆に徴収分では本来支払うべき所得税を満たしていないケースがある。これは給与支払者が徴収する分が不足していた場合やそもそも源泉徴収を行っていない場合、またダブルワークなどにより副業の所得が考慮されていなかった場合などに起こり得る。

このようなケースで年末調整や確定申告を行わなければ、後日不足税額について督促状が届く可能性もある。このとき、単純に不足していた税金を納めれば良いわけではない。支払い忘れた税金には延滞税や加算税といった罰金が課されることとなる。

こういった追加される税金を追徴課税と呼ぶが、この支払い忘れが悪質であると判断された場合には脱税として実刑に処される可能性さえある。無論それは極端なケースではあるが、ともかく年末調整を行わないことはそういったリスクを抱えているという認識を持たなければいけない。

不足額徴収繰延の承認申請

先に挙げたケースのうち、特に「そもそも給与支払者が源泉徴収を行っていなかった」場合など、年末調整によって源泉徴収を年末にまとめて行おうとすると非常に高額な徴収がなされることになる。

12月分の給与が源泉徴収(不足分の徴収)によって通常の月の70%未満となる場合、徴収の繰延を受けることができる。この徴収繰延を受けるための手続きを不足額徴収繰延の承認申請と言い、給与が支払われる前日までに提出することで翌年の1月と2月に繰り延べることが認められる。

このときの徴収割合は、各月50%ずつである。申請書式は国税庁ホームページからダウンロードできるが、所轄税務署へ赴き併せて書類の記入法等を訊ねても良いだろう。

年末調整は源泉徴収の総決算

年末調整に対して面倒な手続きであるという認識を持っている人は少なくないかと思うが、年末調整や確定申告を行わなかったことによるデメリットやリスクは前述の通りだ。一方で、正しく行うことで得られるメリットは大きい。面倒な手続きと忌避するのではなく、積極的に理解を深めよう。

もし申告を忘れてしまった控除などがある場合は諦めずに再年調を依頼してみてはいかがだろうか。それによって具体的にどれほどの節税になるか体験すれば、年末調整そのものに対する見方も変わるかもしれない。(ZUU online 編集部)

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